メスフラスコ - 化学実験器具一覧

メスフラスコは一定体積の溶液を量り取るために用いられます。このページでは、メスフラスコの用途、メスフラスコの使い方及び注意点を説明しています。

メスフラスコの使用方法については高校で学習します。運が良ければ高校の実験で、そうでなければ大学で使うことになるでしょう。

メスフラスコ


もくじ

  1. メスフラスコとは
  2. メスフラスコの使い方
  3. メスフラスコ使用上の注意

メスフラスコとは

メスフラスコは、液体を一定体積にするための器具です。別名、全量フラスコ、定容フラスコなどとも呼ばれます。英語では "volumetric flask" と言います。

主に一定濃度の溶液を作る場合に用いられます。たとえば、0.1mol/Lのシュウ酸標準液を調製する場合などです。

同じく体積を計り取るメスシリンダーよりも精度が高く、研究室で一般的に用いられます。

壁面には「TC」と書かれており、これは入用(To Contain)を表します。つまり、標線まで加えたときの量が表示された体積に等しいというわけです。出用のホールピペットとは対照的な関係です。

値段の相場は、100mL以下のもので1800円程度。体積を計り取る器具なので、ただの容器に比べるとかなりお高いですね。おまけに栓はすり合わせになっているので、なおさらです。

メスフラスコの使い方

ここでは、0.1mol/Lのシュウ酸水溶液100mLを調製する場合を例にとって説明します。

  1. シュウ酸二水和物(分子量126)1.26gを秤量瓶で秤取る
  2. シュウ酸をビーカーに移し、純水で秤量瓶を数回すすぎ、その洗液もビーカーに加える。
  3. 純水を加え、シュウ酸を完全に溶かす。
  4. シュウ酸水溶液をメスフラスコに移す。この時、漏斗をメスフラスコに差し込んで行うとよい。
  5. ビーカーと撹拌に用いたガラス棒を純水ですすぎ、その洗液もメスフラスコに加える。
  6. ピペットを用いて標線まで水を加える(メスアップという)。メニスカスの下端が標線に合うようにする。←慎重に‼
  7. 栓をして上下逆さにしてよく振り混ぜる。

メスフラスコ使用上の注意

メスフラスコは、体積を正確に量り取る器具であるため、操作も正確に行う必要があります。以下、いくつかの注意点を挙げます。

  • 溶質を水に溶かす時は、一般的に発熱や吸熱をします。メスフラスコは使用する温度が20℃と決められているため、この温度と異なると正確な体積を量ることが出来ません。そのため、メスフラスコ内で溶解させるのではなく、ビーカー内などで溶かし、常温にしてからメスフラスコに移します。
  • メスアップする前に栓をして上下に振ると、メスフラスコの首の部分や栓に溶液がついて、正確な体積ではなくなります。メスアップ前は、標線を超えない程度に軽く振り混ぜます。
  • メスアップの際、少しでも標線を超えてしまうと初めから調製し直しとなります。最後の一滴を加える操作は、ピペットを使って慎重に行います。
  • 最後に栓をしてよく振る作業は、溶液の濃度を均一にするためです。特にメスフラスコの首の部分は細く、混ざりにくいので、きちんと逆さまにして混ぜる必要があります。

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