割合の計算

割合(わりあい)計算(けいさん)するには、(くら)べられる(りょう)」を「もとにする(りょう)」で()ります(しき)にすると、(つぎ)のようになります。

割合(わりあい) = (くら)べられる(りょう) ÷ もとにする(りょう)

この(しき)変形(へんけい)すると、割合(わりあい)から「(くら)べられる(りょう)」や「もとにする(りょう)」を(もと)める(つぎ)の2(しき)登場(とうじょう)します。

(くら)べられる(りょう) = もとにする(りょう) × 割合(わりあい)

もとにする(りょう) = (くら)べられる(りょう) ÷ 割合(わりあい)

このページでは、公式(こうしき)(たよ)るのではなく、割合(わりあい)意味(いみ)()理解(りかい)しながら、割合(わりあい)計算(けいさん)仕方(しかた)学習(がくしゅう)しましょう!


もくじ

  1. 割合(わりあい)(もと)(かた)
    1. 百分率(ひゃくぶんりつ)(パーセント)による(あらわ)(かた)
    2. 歩合(ぶあい)による表し方
  2. 割合(わりあい)から(くら)べられる(りょう)計算(けいさん)する方法(ほうほう)
  3. 割合(わりあい)からもとにする(りょう)を計算する方法

割合の求め方

割合(わりあい)計算(けいさん)するには、(つぎ)(しき)(とお)(くら)べられる(りょう)」を「もとにする(りょう)」で()ります

割合(わりあい) = (くら)べられる(りょう) ÷ もとにする(りょう)

割合(わりあい)の計算問題(もんだい)は、文章(ぶんしょう)問題として登場することがほとんどだと思います。計算は単純(たんじゅん)な割り算ですが、大事(だいじ)なのは何が「比べられる量」で何が「もとにする量」なのか?を文章から読み取ることです。


(れい)として、次の問題を(かんが)えてみましょう。

バスケットボールで15(かい)シュートしたら、そのうち6回ゴールに入った。シュートが入った割合を求めなさい。

まず、もとにする量をとらえます。この問題では15回のシュートのうち6回がゴールに入りました。もとにする量は、シュート全体(ぜんたい)の回数であり、「15回」となります。

次に比べられる量を考えます。この問題では「シュートが入った割合を求める」ので、比べられている量は、ゴールに入った回数、すなわち「6回」です。

この関係(かんけい)を、下の()に示しました。

「もとにする量」と「比べられる量の関係(?の部分を求める)
「もとにする量」と「比べられる量の関係(「?」の部分を求める)

上図の上の数直線(すうちょくせん)には、シュートの合計回数15回に対して、入った回数6回の位置(いち)を示しています。下の数直線には、もとにする量(シュートの合計回数)を1とした時の、比べられる量(シュートが入った回数)の位置を「?」にしています。この「?」の部分(ぶぶん)が、この問題で求めたい割合です。

ここで、上の数直線(シュートの回数)で、もとにする量の15に $\frac{6}{15}$ を()ければ、$ 15\times \frac{6}{15} = 6 $ となり、比べられる量の6になりますね。下の図をみて確認してください。

なので、図の「?」に当てはまる数(割合)を求めるには、下の数直線でも、全体の割合 1 に $\times \frac{6}{15}$ すればいいのです。

もとにする量(シュートの合計回数)に 6/15 を掛けると比べられる量(シュートが入った回数)になる
もとにする量(シュートの合計回数)に $\frac{6}{15}$ を()けると比べられる量(シュートが入った回数)になる

したがって、問題で問われている「シュートが入った割合」を求めるには、次の計算をします。

\begin{align*} \text{割合} &= 1 \times \frac{6}{15} \\[5pt] &= 0.4 \end{align*}

よって、シュートが入った割合は0.4と求まりました。

このように、割合を計算するには、まず図を()いて、もとにする量を1としてから、これに「もとにする量」に対する「比べられる量」の比を()けます。

先ほどの図に計算結果を書き加えると、次のようになります。

割合の計算結果を書き加えた図
割合の計算結果を書き加えた図


問題が()けたところで、最初に示した計算の公式はどのようにして得られたのか考えてみましょう。公式は次の通りです。

割合 = 比べられる量 ÷ もとにする量

ところで、先ほどの例題では、次の式で割合を計算しましたね。

\begin{align*} \text{割合} &= 1 \times \frac{6}{15} \\[5pt] &= 0.4 \end{align*}

ここで、1というのはもとにする量の割合なので、必ず1です。×1は省略(しょうりゃく)できるので、式は次のように書けます。

\begin{align*} \text{割合} &= 1 \times \frac{6}{15} \\[5pt] &= \frac{6}{15} \\[5pt] \end{align*}

この式において、6は比べられる量、15はもとにする量でした。なので、一般的(いっぱんてき)には次のようなります。

\begin{align*} \text{割合} &= \frac{6}{15} \\[5pt] &= \frac{\text{比べられる量}}{\text{もとにする量}} \\[5pt] \end{align*}

最後(さいご)に、割り算は(分子(ぶんし))÷(分母(ぶんぼ))を表しているので、次の式に書き()えられます。計算の意味は何も変わらないですね。

\begin{align*} \text{割合} &= \frac{\text{比べられる量}}{\text{もとにする量}} \\[5pt] &= \text{比べられる量} \div \text{もとにする量} \\[5pt] \end{align*}

こうして、最初(さいしょ)に示した「割合を求める公式」を示すことができました。

百分率(パーセント)による表し方

割合は基本的には0以上1以下の数字で表されますが、これを百分率(ひゃくぶんりつ)(パーセント)で表すことがあります。

パーセントで表すには、得られた割合に100を()けて、最後に記号(きごう)「%」を付け加えます。

割合(%) = 比べられる量 ÷ もとにする量 × 100 %

例えば上の例題(れいだい)のようにシュートが入った割合が0.4であった場合、それは 40 % と書き表すことができます。

\begin{align*} 0.4 \times 100 \% = 40 \% \end{align*}

全体を1として小数で表した割合よりも、全体を100%としてあらわした百分率の方が分かりやすいため、スーパーの割引表示でも「5%引き!」などとよく用いられていますね。

歩合による表し方

割合を、歩合(ぶあい)という「~(わり)()(りん)」の形で表すことがあります。

歩合で表すには、割合の0.1を1割(わり)、0.01を1分(ぶ)、0.001を1厘(りん)とします。

例えば、上の例題では0.4の割合でシュートが入ったと計算できました。これを歩合で表すと、「シュートの成功率は4割だった」となります。

別の例として、割合0.123を歩合で表すと、1割2分3厘(いちわり にぶ さんりん)となります。


歩合表示も、よくスーパーの割引表示で見ますね!閉店間際(まぎわ)のお総菜(そうざい)コーナーに行くとよく「1割引き!」とか「3割引き!」という(ふだ)()ってあります。

割合から比べられる量を計算する方法

割合から比べられる量を計算する式は次の通りです。

比べられる量 = もとにする量 × 割合


例として、次の問題を考えてみましょう。

150円の40%はいくらですか?

この問題の場合、「もとにする量」は150円、割合は40%です。40%を小数で表すと0.4になることに気を付けましょう(百分率は割合に100をかけて%を付けた表し方です)。

これを図に表すと、次のようになります。

もとにする量150円とその40%(= 0.4)の関係図
もとにする量150円とその40%(= 0.4)の関係図

上のバスケットボールの例題と同じように、上下二つの数直線における比の関係(かんけい)を調べます。今回は下の数直線にて、もとにする割合1に $\frac{0.4}{1}$ を掛けると、$1 \times \frac{0.4}{1} = 0.4$ より、問題で与えられた割合0.4(= 40 %)になることが分かりますね。下に示した図をみて確認してください。

よって、上の数直線でも、もとにする量150円に $\frac{0.4}{1}$ を()ければ、比べられる量を求めることができます。

もとにする量(150円)に $\frac{0.4}{1}$ を掛けると比べられる量になる
もとにする量(150円)に $\frac{0.4}{1}$ を()けると比べられる量になる

したがって、問題で問われている、150円の40%の値段(ねだん)を求めるには、次の計算をします。

\begin{align*} \text{比べられる量} &= 150 \times \frac{0.4}{1} \\[5pt] &= 60\text{(円)} \end{align*}

よって、150円の40%の値段は60円と求まりました。

このように、比べられる量を計算するには、まず図を()いて、もとにする量を1としたときの比べられる量の割合を確認し、それを「もとにする量」に()けます。

先ほどの図に計算結果を書き加えると、次のようになります。

割合から「比べられる量」を求めた図
割合から「比べられる量」を求めた図


ここで、最初に示した計算の公式はどのようにして得られたのか考えてみましょう。公式は次の通りです。

比べられる量 = もとにする量 × 割合

ところで、先ほどの例題では、次の式で割合を計算しましたね。

\begin{align*} \text{比べられる量} &= 150 \times \frac{0.4}{1} \\[5pt] &= 60\text{(円)} \end{align*}

ここで、1というのはもとにする量の割合なので、必ず1です。分母の1は省略(しょうりゃく)できるので、次のように書けます。

\begin{align*} \text{比べられる量} &= 150 \times \frac{0.4}{1} \\[5pt] &= 150 \times 0.4 \\[5pt] \end{align*}

この式において、150はもとにする量、0.4は割合でした。なので、一般的には次のようなります。

\begin{align*} \text{比べられる量} &= 150 \times 0.4 \\[5pt] &= \text{もとにする量} \times \text{割合} \\[5pt] \end{align*}

この式は、最初に示した公式と同じですね。こうして、最初に示した公式を示すことができました。

割合からもとにする量を計算する方法

割合からもとにする量を計算する問題が、一番ややこしいです。このタイプの問題を解くには、公式に頼るのではなく、図を描いて考えることが重要です。

まず、割合からもとにする量を計算する公式は次の通りです(この式は覚えずに図を()く方がよいです)。

もとにする量 = 比べられる量 ÷ 割合


例として、次の問題を考えてみましょう。

ある商品の2割引き後の価格が96円であった。()()き前の価格(かかく)はいくらだったでしょう?

まず、問題の意味を理解して図を()きます。

「2割引き後」というのは、「値引後の価格はもとの8割の価格」と同じ意味です。なぜなら、割合ではもとの価格を1としていて、ここから0.2(= 2割)を引く(1 - 0.2)と、0.8(= 8割)になるからです。

これを図に描くと次のようになります。「比べられる量」の96円が、割合で0.8の位置にあることを確認してください。

96円はもとにする量の0.8の割合の位置にある
96円はもとにする量の0.8の割合の位置にある

さて、この問題では「もとにする量」を求めます。もとにする量とは、割合が1のときの量(値段)のことです。これを図に書き加えると、どのようになるでしょうか?

もとの値段は、割合が1の時の値段
もとの値段は、割合が1の時の値段

上の図のように、先ほどの数直線から右にはみ出した部分に、割合1が来ますね。この上の値段?が、この問題で求めたい「もとにする量」です。

下の数直線を見ると、割合0.8に $\frac{1}{0.8}$ を掛けると $0.8 \times \frac{1}{0.8} = 1$ より、もとにする量の割合1になることが分かります。下の図を見て確認してください。

よって、上の数直線でも、比べられる量96に $\frac{1}{0.8}$ を()ければ、もとにする量を求めることができます。

比べられる量(96円)に割合の逆数(1/0.8)を掛けると、もとにする量になる
比べられる量(96円)に割合の逆数(ぎゃくすう)($\frac{1}{0.8}$)を()けると、もとにする量になる

したがって、問題で問われている、値引前のもとの値段を求めるには、次の計算をします。

\begin{align*} \text{もとの値段} &= 96 \times \frac{1}{0.8} \\[5pt] &= 120 \text{(円)} \end{align*}

これより、元の値段は120円であるということが分かりました。

最後に、計算結果を最初の図に付け加えると、次のようになります。

割合から「もとにする量」を求めた図
割合から「もとにする量」を求めた図


問題が解き終わったところで、最初に示した計算の公式はどのようにして得られるのかを考えてみましょう。公式は次の通りです。

もとにする量 = 比べられる量 ÷ 割合

ところで、先ほどの例題では、次の式で割合を計算しましたね。

\begin{align*} \text{もとの値段} &= 96 \times \frac{1}{0.8} \\[5pt] &= 120 \text{(円)} \end{align*}

ここで、()け算は、逆数の割り算にすることができます。つまり、次のように式を変形(へんけい)できます。

\begin{align*} \text{もとの値段} &= 96 \times \frac{1}{0.8} \\[5pt] &= 96 \div \frac{0.8}{1} \\[5pt] \end{align*}

この式の1というのはもとにする量の割合なので、必ず1です。分母の1は省略(しょうりゃく)できるので、次のように書けます。

\begin{align*} \text{もとの値段} &= 96 \div \frac{0.8}{1} \\[5pt] &= 96 \div 0.8 \\[5pt] \end{align*}

最後に、この式において96は比べられる量、0.8は割合でした。なので、一般的には次のようなります。

\begin{align*} \text{もとの値段} &= 96 \div 0.8 \\[5pt] &= \text{比べられる量} \div \text{割合} \\[5pt] \end{align*}

この式は、最初に示した公式と同じですね。こうして、最初に示した公式を示すことができました。