扇形の弧の長さの求め方 - 公式と計算例

扇形の弧の長さを求める公式は、次の通りです。

\begin{align*} l &= 2\pi r \times \frac{x}{360} \\[5pt] \end{align*}

中心角 x°、半径 r の扇形
中心角 x°、半径 r の扇形

ここで、l は扇形の弧の長さ、π は円周率、r は円の半径、x は中心角(単位「度」)を表します。

このページの続きでは、この公式の導き方と、扇形の弧の長さを求める計算問題の解き方を説明しています。



もくじ

  1. 扇形の弧の長さを求める公式
    1. 公式の導き方
  2. 扇形の弧の長さを求める計算問題
    1. 中心角と半径から弧の長さを求める問題
    2. 扇形の周の長さを求める問題

扇形の弧の長さを求める公式

前述の通り、扇形の弧の長さ l を求める公式は、次の通りです。

\begin{align*} l &= 2\pi r \times \frac{x}{360} \\[5pt] \end{align*}

この式に出てくる文字の意味は、次の通りです。

l
扇形の弧の長さ(length)
π
円周率(= 3.14…)
r
円の半径(radius)
中心角

公式の導き方

この公式は暗記するようなものではなく、意味を理解することに意味があります。この公式の意味は、円の面積に「360° に対する中心角の割合をかける」ことになります。

半径が等しい扇形の弧の長さは、中心角に比例する」ということがポイントです。

いま、半径 r の円を考えると、この円周は 2πr ですね。中心角は 360° です。この 360° のうち、何度分を切り取ったものなのか?という割合を円周に掛けることで、弧の長さを求めることが出来ます。

これを式にしたものが、公式として書いたものです。

\begin{align*} \text{円周の長さ} &= \text{円の面積}\times \frac{\text{中心角}}{360^\circ} \\[5pt] &= 2\pi r \times \frac{x}{360} \end{align*}

意味を理解すれば、わざわざ公式として覚えるほどのものではありませんよね…?


続いては、計算問題の解き方を、例題を使って説明します。

扇形の弧の長さを求める計算問題

中心角と半径から弧の長さを求める問題

半径 3、中心角 120° の扇形の弧の長さを求めよ。

半径 3、中心角 120° の扇形

弧の長さを求める公式に代入するだけですね。公式を丸暗記するのではなく、「割合を掛ける」という意味をしっかり理解しながら解きましょう。

弧の長さを l として

\begin{align*} l &= 2\pi r \times \frac{x}{360} \\[5pt] &= 2\pi \times 3 \times \frac{120}{360} \\[5pt] &= 2\pi \end{align*}

中学生になると円周率 π を文字のまま使っていいのですが、小学生は円周率を 3.14 として計算しますね。この場合は

\begin{align*} l &= 2 \times \text{円周率} \times \text{半径} \times \frac{x}{360} \\[5pt] &= 2\times 3.14 \times 3 \times \frac{120}{360} \\[5pt] &= 6.28 \end{align*}

となります。

扇形の周の長さを求める問題

半径 6、中心角 150° の扇形の周の長さを求めよ。

半径 6、中心角 150° の扇形

扇形の周の長さを求める問題なので、弧に、半径の部分を加えた長さを求めます。

弧の長さ l は公式より

\begin{align*} l &= 2\pi r \times \frac{x}{360} \\[5pt] &= 2\pi \times 6 \times \frac{150}{360} \\[5pt] &= 5\pi \end{align*}

これに、半径の長さの2倍を加えると、周の長さになりますね。よって、求める周の長さ L は

\begin{align*} L &= 5\pi + 2 \times 6 \\[5pt] &= 5\pi +12  \\[5pt] (&= 5\times 3.14 +12) \\[5pt] (&= 27.7) \end{align*}

となります。