割り算の筆算のやり方

()り算の筆算(ひっさん)は、基本的(きほんてき)(つぎ)の 4 ステップを()(かえ)すことで計算(けいさん)できます。

割り算の筆算を計算する 4 つのステップ

  1. ()てる
  2. かける
  3. ()
  4. おろす

このページでは、割り算の筆算のやり方を分かりやすく説明しています。

まず、筆算の基本である 4 つのステップを説明し、1 桁の数で割る割り算と、2 桁の数で割る割り算具体例(ぐたいれい)を説明をします。


もくじ

  1. 割り算の筆算の基本
  2. 1 桁の数で割る割り算の筆算
    1. (あま)りがない割り算
    2. 余りがある割り算
    3. 途中の引き算で差が 0 になる場合
    4. 割られる数が 3(けた)の割り算
    5. 1 桁目に(しょう)が立たない場合
  3. 2 桁の数で割る割り算の筆算

割り算の筆算の基本

ここでは、割り算の筆算のやり方を基本から説明します。立てる → かける → 引く → おろす の 4 つのステップをよく確認してください。

それでは、次の例題(れいだい)一緒(いっしょ)()いていきましょう。

72 ÷ 3 を筆算で計算せよ。

まず、割り算の筆算では、割る数(=3)と割られる数(=72)を次のように書きます。

割る数と割られる数の書き方
割る数と割られる数の書き方

計算の手順(てじゅん)はこのあと(しめ)すので、最終的(さいしゅうてき)な筆算の結果(けっか)を見てみましょう。最終的に筆算の結果は次のようになります。割り算の商は筆算の一番(いちばん)上に、(あま)りは一番下にきます。

筆算が終わった後の商と余りの位置
筆算が終わった後の商と余りの位置

それでは、割り算の筆算を一緒に行っていきます。下の手順(てじゅん)にしたがって、やり方をひとつずつ確認(かくにん)してください。

割り算の筆算の計算手順

  1. 1
    立てる
    十の(くらい)の数 7 を、割る数 3 で 割ったときの商 2 を、7 の上に書きます。
    7 ÷ 3 = 2 あまり 1
    割り算の筆算:十の位の数 7 を 割る数 3 で 割ったときの商 2 を 7 の上に書きます。
  2. 2
    かける
    割る数 3 に上で求めた商 2 をかけた(せき)6 を 7 の下に書きます。
    3 × 2 = 6
    割り算の筆算:割る数 3 に、上で求めた商 2 をかけた積 6 を 7 の下に書きます。
  3. 3
    引く
    7 から 6 を引いた()1 を 6 の下に書きます。この「余りの数」が割る数 3 よりも小さくなっていることを確認しましょう。
    7 - 6 = 1
    割り算の筆算:7 から 6 を引いた差 1 を 6 の下に書きます。
  4. 4
    おろす
    一の位の数 2 を下におろします。
    割り算の筆算:一の位の数 2 を下におろします。
  5. 5
    立てる
    12 を割る数 3 で割った商 4 を一の位の数 2 の上に書きます。
    12 ÷ 3 = 4
    割り算の筆算:12 を割る数 3 で割った商 4 を一の位の数 2 の上に書きます。
  6. 6
    かける
    割る数 3 に、上で求めた商 4 をかけた積 12 を一番下に書きます。
    3 × 4 = 12
    割り算の筆算:割る数 3 に、上で求めた商 4 をかけた積 12 を一番下に書きます。
  7. 7
    引く
    12 から 12 を引いた差を一番下に書きます。
    12 - 12 = 0
    商が一の位まで立って、あまりが求まったら筆算の終了です。
    割り算の筆算:12 から 12 をひきます。

よって、最終的な筆算の結果は次のようになりました。割り算の商は一番上に、余りは一番下にきます。

筆算が終わった後の商と余りの位置
筆算が終わった後の商と余りの位置

よって、72 ÷ 3 の計算結果は、24 あまり 0 と求まりました。


割り算の筆算のやり方を理解(りかい)できたでしょうか?

(つづ)いては、今の筆算の手順をもとにして、割る数が 1(けた)のときと 2 桁のときそれぞれの、具体的(ぐたいてき)計算(けいさん)手順(てじゅん)をいくつか見ていきます。

1 桁の数で割る割り算の筆算

ここからは、割る数が 1(けた)である割り算の筆算のやり方を、具体的に見ていきましょう。

余りがない割り算

余りがない割り算の筆算は、上で詳しく説明しているので、ここでは省略(しょうりゃく)します。

例題(れいだい)とその筆算の結果だけ、もう一度示します。

72 ÷ 3 を筆算で計算せよ。

72 ÷ 3 の筆算の結果
72 ÷ 3 の筆算の結果

よって、72 ÷ 3 = 24 と求まりました。

余りがある割り算

余りがある割り算の筆算の例を見てみましょう。

73 ÷ 3 を筆算で計算せよ。

基本的には、余りがない割り算と一緒です。一の位の数 3 をおろしたところからの手順を説明します。

  1. 1
    途中(とちゅう)までの計算結果
    一の位の数 3 を下すところまでは、余りがない割り算の筆算と同じやり方です。
    割り算の筆算:一の位の数 3 を下すところまでは、余りがない割り算の筆算と同じやり方です。
  2. 2
    立てる
    13 を 割る数 3 で割った商 4 を、一の位の数 3 の上に書きます。
    13 ÷ 3 = 4 あまり 1
    割り算の筆算:13 を 割る数 3 で割った商 4 を一の位の数 3 の上に書きます。
  3. 3
    かける
    割る数 3 に上で求めた商 4 をかけた積 12 を一番下に書きます。
    3 × 4 = 12
    割り算の筆算:割る数 3 に上で求めた商 4 をかけた積 12 を一番下に書きます。
  4. 4
    引く
    13 から 12 を引いた差 1 を一番下に書きます。
    13 - 12 = 1
    商が一の位まで立って、余りが求まったので、ここで筆算は終了(しゅうりょう)です。
    割り算の筆算:13 から 12 を引いた差 1 を一番下に書きます。商が一の位まで立って、余りが求まったので、ここで筆算は終了です。

この割り算の余りは、一番下に書かれた「1」です。よって、73 ÷ 3 = 24 あまり 1 と求まりました。

途中の引き算で差が 0 になる場合

引き算の途中で差が 0 になる場合、その 0 は書かずに、一つ右の位の数を下ろします。

例を見てみましょう。

63 ÷ 3 を筆算で計算せよ。

計算の途中から手順を示します。

  1. 1
    途中までの計算結果
    十の位に 2 を「立て」て「かける」まで計算したところです。
    割り算の筆算:十の位に 2 を「立て」て「かける」まで計算したところです。
  2. 2
    引く → 下ろす
    つぎに 6 - 6 を計算しますが、この差は 0 となります。差が 0 になった場合、それは書かずに右の位を下ろします。
    割り算の筆算:つぎに 6 - 6 を計算しますが、この差は 0 となります。差が 0 になった場合、それは書かずに右の位を下ろします。
  3. 3
    残りの計算
    あとの計算はすべて、通常(つうじょう)の割り算の筆算と一緒です。
    商が一の位まで立って、余りが求まったところで筆算は終了です。
    割り算の筆算:あとの計算はすべて、通常の割り算の筆算と一緒です。商が一の位まで立って、余りが求まったところで筆算は終了です。

よって、63 ÷ 3 = 21 と求まりました。

割られる数が 3 桁の割り算

割られる数が 3 桁の場合も、同様に左の位から順に 立てる → かける → 引く → 下ろす の手順を繰り返します。

945 ÷ 3 を筆算で計算せよ。

筆算の結果は次の通りです。

945 ÷ 3 の筆算の結果
945 ÷ 3 の筆算の結果

よって、945 ÷ 3 = 315 と求まりました。


もう一つ例題を解いてみましょう。

609 ÷ 3 を筆算で計算せよ。

筆算の結果は次の通りです。この場合、十の位の数 0 を 3 で割った商は 0 なので、十の位には 0 を立て、一の位の数 9 を下におろします。

609 ÷ 3 の筆算の結果
609 ÷ 3 の筆算の結果

よって、609 ÷ 3 = 203 と求まりました。

1 桁目に商が立たない場合

1 桁目に商が立たない場合は、1 桁目と 2 桁目の数を合わせた 2 桁の数を割ります。このときの商は、いま割られた数の一番右の位の上に書きます。

135 ÷ 3 を筆算で計算せよ。

  1. 1
    百の位に商は立たない
    百の位の数 1 を割る数 3 で割った商は 0 です(余り 1)。この場合、百の位に商は立てません。
    割り算の筆算:百の位の数 1 を割る数 3 で割った商は 0 です(余り 1)。この場合、百の位に商は立てません。
  2. 2
    立てる
    百の位だけでは商が立たなかったので、となりの十の位も一緒に見ます。つまり、13 ÷ 3 を計算します。この商は 4 なので、これを十の位に立てます。
    百の位だけでは商が立たなかったので、となりの十の位も一緒に見ます。つまり、13 ÷ 3 を計算します。この商は 4 なので、これを十の位に立てます。
  3. 3
    残りの計算
    あとの計算はすべて、通常の割り算の筆算と一緒です。
    一の位まで商が立ち、余りが求まったら筆算は終了です。
    割り算の筆算:あとの計算はすべて、通常の割り算の筆算と一緒です。一の位まで商が立ち、余りが求まったら筆算は終了です。

よって、135 ÷ 3 = 45 と求まりました。

2 桁の数で割る割り算の筆算

ここからは、割る数が 2 桁の場合の割り算の筆算のやり方を説明していきます。

次の例題を解いてみましょう。

54 ÷ 12 を筆算で計算せよ。

これまでは割る数が 1 桁でしたが、今回は割る数が 12 という 2 桁の数になっています。この場合の計算手順を見ていきましょう。

  1. 1
    十の位に商は立たない
    十の位の数 5 を、割る数 12 で割った商は 0 です(余り 5)。この場合、十の位に商は立てません。
    十の位の数 5 を、割る数 12 で割った商は 0 です(余り 5)。この場合、十の位に商は立てません。
  2. 2
    立てる
    十の位だけでは商が立たなかったので、となりの一の位も一緒に見ます。つまり、54 ÷ 12 を計算します。
    この商は、それぞれの数を四捨五入した 50 ÷ 10 を計算して見当を立てるといいでしょう。50 ÷ 10 = 5 なので、54 ÷ 12 の商も 5 くらいという見当がつきます。
    しかし、12 × 5 = 60 であり、 54 よりも大きくなってしまうので、商は 5 よりも小さい数です。商を 4 として計算すると、12 × 4 = 48 なので、これが 54 ÷ 12 の商であることが分かりました。
    よって、一の位に 4 を立てます。
    割り算の筆算:十の位だけでは商が立たなかったので、となりの一の位も一緒に見ます。つまり、54 ÷ 12 を計算します。
  3. 3
    残りの計算
    あとの計算はすべて、通常の割り算の筆算と一緒です。
    一の位まで商が立ち、余りが求まったら筆算は終了です。
    割り算の筆算:あとの計算はすべて、通常の割り算の筆算と一緒です。一の位まで商が立ち、余りが求まったら筆算は終了です。

よって、54 ÷ 12 = 4 あまり 6 と求まりました。