割り算の筆算のやり方
割り算の筆算は、基本的に次の 4 ステップを繰り返すことで計算できます。
割り算の筆算を計算する 4 つのステップ
- 立てる
- かける
- 引く
- おろす
このページでは、割り算の筆算のやり方を分かりやすく説明しています。
まず、筆算の基本である 4 つのステップを説明し、1 桁の数で割る割り算と、2 桁の数で割る割り算の具体例を説明をします。
もくじ
割り算の筆算の基本
ここでは、割り算の筆算のやり方を基本から説明します。立てる → かける → 引く → おろす の 4 つのステップをよく確認してください。
それでは、次の例題を一緒に解いていきましょう。
72 ÷ 3 を筆算で計算せよ。
まず、割り算の筆算では、割る数(=3)と割られる数(=72)を次のように書きます。
計算の手順はこのあと示すので、最終的な筆算の結果を見てみましょう。最終的に筆算の結果は次のようになります。割り算の商は筆算の一番上に、余りは一番下にきます。
それでは、割り算の筆算を一緒に行っていきます。下の手順にしたがって、やり方をひとつずつ確認してください。
割り算の筆算の計算手順
- 1
- 立てる
- 十の位の数 7 を、割る数 3 で 割ったときの商 2 を、7 の上に書きます。
- 7 ÷ 3 = 2 あまり 1
↓ - 2
- かける
- 割る数 3 に上で求めた商 2 をかけた積6 を 7 の下に書きます。
- 3 × 2 = 6
↓ - 3
- 引く
- 7 から 6 を引いた差1 を 6 の下に書きます。この「余りの数」が割る数 3 よりも小さくなっていることを確認しましょう。
- 7 - 6 = 1
↓ - 4
- おろす
- 一の位の数 2 を下におろします。
↓ - 5
- 立てる
- 12 を割る数 3 で割った商 4 を一の位の数 2 の上に書きます。
- 12 ÷ 3 = 4
↓ - 6
- かける
- 割る数 3 に、上で求めた商 4 をかけた積 12 を一番下に書きます。
- 3 × 4 = 12
↓ - 7
- 引く
- 12 から 12 を引いた差を一番下に書きます。
- 12 - 12 = 0
- 商が一の位まで立って、あまりが求まったら筆算の終了です。
よって、最終的な筆算の結果は次のようになりました。割り算の商は一番上に、余りは一番下にきます。
よって、72 ÷ 3 の計算結果は、24 あまり 0 と求まりました。
割り算の筆算のやり方を理解できたでしょうか?
続いては、今の筆算の手順をもとにして、割る数が 1桁のときと 2 桁のときそれぞれの、具体的な計算手順をいくつか見ていきます。
1 桁の数で割る割り算の筆算
ここからは、割る数が 1桁である割り算の筆算のやり方を、具体的に見ていきましょう。
余りがない割り算
余りがない割り算の筆算は、上で詳しく説明しているので、ここでは省略します。
例題とその筆算の結果だけ、もう一度示します。
72 ÷ 3 を筆算で計算せよ。
よって、72 ÷ 3 = 24 と求まりました。
余りがある割り算
余りがある割り算の筆算の例を見てみましょう。
73 ÷ 3 を筆算で計算せよ。
基本的には、余りがない割り算と一緒です。一の位の数 3 をおろしたところからの手順を説明します。
- 1
- 途中までの計算結果
- 一の位の数 3 を下すところまでは、余りがない割り算の筆算と同じやり方です。
↓ - 2
- 立てる
- 13 を 割る数 3 で割った商 4 を、一の位の数 3 の上に書きます。
- 13 ÷ 3 = 4 あまり 1
↓ - 3
- かける
- 割る数 3 に上で求めた商 4 をかけた積 12 を一番下に書きます。
- 3 × 4 = 12
↓ - 4
- 引く
- 13 から 12 を引いた差 1 を一番下に書きます。
- 13 - 12 = 1
- 商が一の位まで立って、余りが求まったので、ここで筆算は終了です。
この割り算の余りは、一番下に書かれた「1」です。よって、73 ÷ 3 = 24 あまり 1 と求まりました。
途中の引き算で差が 0 になる場合
引き算の途中で差が 0 になる場合、その 0 は書かずに、一つ右の位の数を下ろします。
例を見てみましょう。
63 ÷ 3 を筆算で計算せよ。
計算の途中から手順を示します。
- 1
- 途中までの計算結果
- 十の位に 2 を「立て」て「かける」まで計算したところです。
↓ - 2
- 引く → 下ろす
- つぎに 6 - 6 を計算しますが、この差は 0 となります。差が 0 になった場合、それは書かずに右の位を下ろします。
↓ - 3
- 残りの計算
- あとの計算はすべて、通常の割り算の筆算と一緒です。
- 商が一の位まで立って、余りが求まったところで筆算は終了です。
よって、63 ÷ 3 = 21 と求まりました。
割られる数が 3 桁の割り算
割られる数が 3 桁の場合も、同様に左の位から順に 立てる → かける → 引く → 下ろす の手順を繰り返します。
945 ÷ 3 を筆算で計算せよ。
筆算の結果は次の通りです。
よって、945 ÷ 3 = 315 と求まりました。
もう一つ例題を解いてみましょう。
609 ÷ 3 を筆算で計算せよ。
筆算の結果は次の通りです。この場合、十の位の数 0 を 3 で割った商は 0 なので、十の位には 0 を立て、一の位の数 9 を下におろします。
よって、609 ÷ 3 = 203 と求まりました。
1 桁目に商が立たない場合
1 桁目に商が立たない場合は、1 桁目と 2 桁目の数を合わせた 2 桁の数を割ります。このときの商は、いま割られた数の一番右の位の上に書きます。
135 ÷ 3 を筆算で計算せよ。
- 1
- 百の位に商は立たない
- 百の位の数 1 を割る数 3 で割った商は 0 です(余り 1)。この場合、百の位に商は立てません。
↓ - 2
- 立てる
- 百の位だけでは商が立たなかったので、となりの十の位も一緒に見ます。つまり、13 ÷ 3 を計算します。この商は 4 なので、これを十の位に立てます。
↓ - 3
- 残りの計算
- あとの計算はすべて、通常の割り算の筆算と一緒です。
- 一の位まで商が立ち、余りが求まったら筆算は終了です。
よって、135 ÷ 3 = 45 と求まりました。
2 桁の数で割る割り算の筆算
ここからは、割る数が 2 桁の場合の割り算の筆算のやり方を説明していきます。
次の例題を解いてみましょう。
54 ÷ 12 を筆算で計算せよ。
これまでは割る数が 1 桁でしたが、今回は割る数が 12 という 2 桁の数になっています。この場合の計算手順を見ていきましょう。
- 1
- 十の位に商は立たない
- 十の位の数 5 を、割る数 12 で割った商は 0 です(余り 5)。この場合、十の位に商は立てません。
↓ - 2
- 立てる
- 十の位だけでは商が立たなかったので、となりの一の位も一緒に見ます。つまり、54 ÷ 12 を計算します。
- この商は、それぞれの数を四捨五入した 50 ÷ 10 を計算して見当を立てるといいでしょう。50 ÷ 10 = 5 なので、54 ÷ 12 の商も 5 くらいという見当がつきます。
- しかし、12 × 5 = 60 であり、 54 よりも大きくなってしまうので、商は 5 よりも小さい数です。商を 4 として計算すると、12 × 4 = 48 なので、これが 54 ÷ 12 の商であることが分かりました。
- よって、一の位に 4 を立てます。
↓ - 3
- 残りの計算
- あとの計算はすべて、通常の割り算の筆算と一緒です。
- 一の位まで商が立ち、余りが求まったら筆算は終了です。
よって、54 ÷ 12 = 4 あまり 6 と求まりました。