帯分数の計算方法と仮分数への書き直し方
帯分数とは整数と真分数の和をまとめた形で書いたものです。例えば、次のように書き表します。
\begin{align*} 2\frac{3}{5} \end{align*}
これを「2と5分の3」と読み、2 + 5分の3 を意味します。
\begin{align*} 2\frac{3}{5} = 2+\frac{3}{5} \end{align*}
このページでは、帯分数を仮分数になおす方法、仮分数を帯分数になおす方法、帯分数の足し算や引き算の計算方法を説明しています。
ちなみに、帯分数は小学校で学習しますが、中学以降になると帯分数は使わずにすべて仮分数で書き表すのが一般的になります。
もくじ
帯分数を仮分数に直す方法
帯分数を仮分数に直すには、整数部分と分数の分母を掛けて分子に足し合わせます。
次の例題を一緒に解いて、やり方を確認しましょう。
$2\frac{1}{3}$ を仮分数に直せ。
帯分数を仮分数になおす問題です。直した後の仮分数の分母は元のとおなじ3のままにします。分子は、(整数部分)×(分母)+(元の分子)= 2 × 3 + 1 = 7とします。
\begin{align*} 2\frac{1}{3} &= \frac{2\times 3+1}{3} \\[5pt] &= \frac{7}{3} \end{align*}
よって仮分数に直すと、$ \frac{7}{3} $ となります。
最後に、この問題の分数を数直線上に表してみましょう。
このように、帯分数 $2\frac{1}{3}$ は、$\frac{1}{3}$ を7つ足した数であることが、数直線からも分かります。
仮分数を帯分数に直す方法
仮分数を帯分数に直すには、仮分数の分子を分母で割って、その商を帯分数の整数部分、余りを分数の分子に書きます。この時、帯分数の分母は変わりません。
それでは、次の例題を見てみましょう。
$\frac{7}{3}$ を帯分数に直せ。
仮分数を帯分数になおす問題です。まずは、この仮分数の分子を分母で割って、商と余りを求めます。
\begin{align*} 7 \div 3 = 2 \quad\text{あまり}\quad 1 \end{align*}
この結果を用いて、帯分数の整数部分は割り算の商である2にします。分数部分の分子はあまりの1とします。分母は元の仮分数と変わらず、3のままです。
\begin{align*} \frac{7}{3} = 2\frac{1}{3} \end{align*}
よって、帯分数に直した答えは、$2\frac{1}{2}$ となります。
最後に、この問題の分数を数直線上に表してみましょう。
数直線から分かる通り、仮分数 $\frac{7}{3}$ は、整数で2の位置から、さらに$\frac{1}{3}$ を足した数であることが分かります。よって、帯分数に直すと$2\frac{1}{2}$ となります。
帯分数の計算
ここからは、帯分数の足し算と引き算の方法をご説明します。
帯分数の足し算
帯分数の足し算は、整数部分の和と分数部分の和を合わせて書きます。
次の計算問題を一緒に解いてみましょう。
$2\frac{1}{5}+1\frac{3}{5}$ を計算せよ。
上の問題は、帯分数同士の足し算ですね。まずは、整数部分を足して、答えの帯分数の整数部分とします。この問題では、
\begin{align*} 2 + 1 = 3 \end{align*}
となりますね。
次に、分数部分の足し算をします。この問題では次のようになります。
\begin{align*} \frac{1}{5} + \frac{3}{5} = \frac{4}{5} \end{align*}
最後に、求まった整数部分と分数部分を帯分数の形で書いて、答えになります。
\begin{align*} 2\frac{1}{5}+1\frac{3}{5} = 3\frac{4}{5} \end{align*}
それぞれの数を数直線上に表すと、次のようになります。
帯分数の引き算
帯分数の引き算は、整数部分の差と分数部分の差を合わせて書きます。
引かれる数と引く数の分数部分の大小に応じて、次の3つの方法を説明します。
分数部分の差が正の数になる場合
引かれる数の分数が、引く数の分数より大きい(差がマイナスにならない)場合は、整数部分の差と分数部分の差をそのまま計算することができます。
次の計算問題を一緒に解いてみましょう。
$4\frac{3}{5}-1\frac{2}{5}$ を計算せよ。
上の問題は、帯分数同士の引き算ですね。まずは、整数部分を引いて、答えの帯分数の整数部分とします。この問題では、
\begin{align*} 4 - 1 = 3 \end{align*}
となりますね。
次に、分数部分の引き算をします。この問題では次のようになります。
\begin{align*} \frac{3}{5} - \frac{2}{5} = \frac{1}{5} \end{align*}
最後に、求まった整数部分と分数部分を帯分数の形で書いて、答えになります。
\begin{align*} 4\frac{3}{5}-1\frac{2}{5} = 3\frac{1}{5} \end{align*}
分数部分の差が負の数になる場合
引かれる数の分数が、引く数の分数より小さい(差がマイナスになり、小学校レベルでは計算できない)場合は、引かれる数の分数を仮分数の形にしてから、分数の差を取ります。
次の計算問題を一緒に解いてみましょう。
$4\frac{1}{5}-1\frac{2}{5}$ を計算せよ。
この問題で、分数部分の引き算は次のようになります。
\begin{align*} \frac{1}{5}-\frac{2}{5} \end{align*}
これを見てわかる通り、引かれる数の分数が、引く数の分数より小さいため、差がマイナスになってしまいます。小学校では負の数を習わないので、この計算はできない…ということになってしまいますね。
そこで、引かれる数 $4\frac{1}{5}$ の分数部分を仮分数に直します。$1=\frac{5}{5}$ なので、次のように直すことができます。
\begin{align*} 4\frac{1}{5} = 3\frac{6}{5} \end{align*}
この手順をもっと詳しく書くと、次のようになります。帯分数 $4\frac{1}{5}$ は $4+\frac{1}{5}$ と同じ意味であることを思い出しましょう!
\begin{align*} 4\frac{1}{5} &= 4+\frac{1}{5} \\[5pt] &= 3+1+\frac{1}{5} \\[5pt] &= 3+ \frac{5}{5}+\frac{1}{5} \\[5pt] &= 3+\frac{5+1}{5} \\[5pt] &= 3+ \frac{6}{5} \\[5pt] &= 3\frac{6}{5} \end{align*}
ですね。
このように引かれる数を変形すると、問題の式
\begin{align*} 4\frac{1}{5}-1\frac{2}{5} \end{align*}
は、次のようになります。
\begin{align*} 3\frac{6}{5}-1\frac{2}{5} \end{align*}
このように書き直すことで、分数同士の引き算ができる(正の数になる)ようになりましたね。
あとは、前の項目で説明した通り、整数部分の差と分数部分の差を求めて、帯分数の形で書きます。
この計算手順は前の項目で説明しているので、省略して書くことにします。計算すると、次のようになります。
\begin{align*} 3\frac{6}{5}-1\frac{2}{5} &= 2\frac{4}{5} \end{align*}
よって、この問題の答えは $2\frac{4}{5}$ となります。
引かれる数が整数の場合
引かれる数が分数ではなく整数の場合は、それを分数にしてから計算します。
次の計算問題を一緒に解いてみましょう。
$3-1\frac{2}{5}$ を計算せよ。
帯分数の引き算では、分数部分同士の引き算をしますが、この問題では引かれる数「3」が分数で書かれていません。そこで、引かれる数を分数に書きなおします。
この問題の場合、引かれる数の3は次のように書きなおせます。
\begin{align*} 3 &= 2+1 \\[5pt] &= 2+\frac{5}{5} \\[5pt] &= 2\frac{5}{5} \end{align*}
となりますね。
このように引かれる数を変形すると、問題の式
\begin{align*} 3-1\frac{2}{5} \end{align*}
は、次のようになります。
\begin{align*} 2\frac{5}{5}-1\frac{2}{5} \end{align*}
このように書き直すことで、分数同士の引き算ができる(正の数になる)ようになりましたね。
あとは、前の項目で説明した通り、整数部分の差と分数部分の差を求めて、帯分数の形で書きます。
この計算手順は前の項目で説明しているので、省略して書くことにします。計算すると、次のようになります。
\begin{align*} 2\frac{5}{5}-1\frac{2}{5} = 1\frac{3}{5} \end{align*}
よって、この問題の答えは $1\frac{3}{5}$ となります。