四捨五入の意味とやり方
四捨五入とは、端数処理の方法のひとつで、求める桁の次の位の数字が 4 以下(0, 1, 2, 3, 4)ならそれを切り捨て、5 以上(5, 6, 7, 8, 9)ならば切り上げてひとつ上の位に 1 を加える方法です。
概数(おおよその数)を求める方法のひとつとして、一般的によく用いられます。
このページでは、四捨五入の意味とやり方を解説しています。また、いろいろな表現に合わせて「どの位を四捨五入すればいいのか?」を判断する方法も説明しています。
もくじ
四捨五入の意味
四捨五入とは、おおよその数(概数:がいすう)を求める方法のひとつで、求める桁の次の位の数字が 4 以下(0, 1, 2, 3, 4)ならそれを切り捨て、5 以上(5, 6, 7, 8, 9)ならば切り上げて上の位に1を加える方法です。
実際にどうやって四捨五入するのかは、次の「四捨五入のやり方」の項目で説明しているので、ここでは四捨五入がどのように用いられ、どのような意味があるのかを、3 つの例で確認してみましょう。
四捨五入が用いられている例としては、円周率 3.14 があります。円周率の実際の値は 3.141592… と果てしなく小数部分が続くものですね。しかし、多くの場合はこれを小数第3位で四捨五入をした、3.14 を円周率として使います。
この理由は、実際の円周率は果てしなく小数が続いているので、正確な値を使って計算していられないからです。そのため、円周率を使って計算するときは、その小数をどこかで区切って使わなくてはいけません。そして、小数点以下の桁を長くとっても、実用的にはそれほど意味がありません(誤差の範囲)。そのために四捨五入をして、3.14 という値にしているのです。
このように、四捨五入によって実用的に意味ある数字を使っています。
2つ目の例として、四捨五入された数値はよく、新聞の見出しやニュースなどで見ることがあります。例えば、あるイベントの入場者数が 32,718 人だったとします。しかし、テレビや新聞でこのイベントが報道されるとき、その 32,718 人という正確な人数が使われることはほぼなく、これを四捨五入して「イベントの入場者数が約3万人でした」と言われることの方が多いです。
その理由は、イベントの規模を伝えるには約~万人というおおよその数が分かればよく、細かい数字は重要でないからです。逆に、細かい数字まで書かれていると、情報が多くて「3万」という規模の情報が薄れてしまいます。
四捨五入によって、数字をパッと見て分かりやすくするという意味があるのです。
3 つ目の例として、実験データなどを処理する際にも、四捨五入はよく用いられます。実験による測定値から計算すると小数点以下の桁数がとても長くなってしまったり、割り切れないことも多くあります。しかし、元のデータの精度を考えると、実験として意味のある数値(有効数字)はある桁数までとなります。このようなときに、四捨五入によって数値を丸めます。
四捨五入がどのような場面で使われ、どのような意味があるのかお分かりいただけたでしょうか?それでは、四捨五入のやり方を学習しましょう!
四捨五入のやり方
四捨五入をするには、求める桁の次の位の数字が4 以下(0, 1, 2, 3, 4)ならそれを切り捨て、5 以上(5, 6, 7, 8, 9)ならば切り上げて上の位に1を加えます。
四捨五入という文字が表す通り、「四(以下の数)は捨て」「五(以上の数)は(上の位へ)入れる」ということですね。
しかし、言葉で説明しても分かりにくいので、具体的に次の2つの問題を一緒に解いてみましょう。
それでは、最初の問題です。
切り捨てる場合
2,473 の百の位を四捨五入せよ。
この問題で四捨五入するのは「百の位」です。まずは、百の位の数「4」に注目しましょう。
四捨五入する位が分かったら、その位の数が、4 以下(0, 1, 2, 3, 4)なのか、5 以上(5, 6, 7, 8, 9)なのかを確認します。この問題では百の位の数は「4」なので、「4 以下」のグループに入ります。四捨五入する位が4以下の場合は、ここで切り捨ての操作をします。
切り捨てをするときは、四捨五入する位以下の数をすべて0にします。この問題の 2,473 の場合、四捨五入する桁「百の位」以下の数(4, 7, 3)をすべて 0 にします。そうすると、2,000 となりますね。
よって、2,473 を四捨五入すると、2,000 となります。
切り上げる場合
32,718の百の位を四捨五入せよ。
この問題で四捨五入するのは「百の位」です。まずは、百の位の数「7」に注目しましょう。
四捨五入する位が分かったら、その位の数が、4以下(0, 1, 2, 3, 4)なのか、5以上(5, 6, 7, 8, 9)なのかを確認します。32,718の百の位の数は「7」なので、「5 以上」のグループに入ります。四捨五入する桁の数が 5 以上の場合はここで切り上げの操作をします。
切り上げをするときは、四捨五入する位の一つ上の位に 1 を足して、四捨五入する位以下の数をすべて0にします。この問題の 32,718 の場合、四捨五入する位「百の位」のひとつ上の位「千の位」の数は 2 なので、これに 1 を足して、2 + 1 = 3 にします。
そして、四捨五入する桁「百の位」以下の数(7, 1, 8)をすべて 0にします。そうすると、33,000 となりますね。
よって、32,718 を千の位で四捨五入すると、「33,000」となります。
四捨五入の表現方法
四捨五入をする際に、問題の表現によって、どの位で四捨五入するればいいのか迷ってしまうことがあります。下に 4 通りの表現を挙げたので、それぞれ、どこで四捨五入して、どの位までの概数にすればいいのかを確認しましょう。
~の位で四捨五入する
「~の位で四捨五入する」というのは、四捨五入をする位をはっきり示した表現で、一番分かりやすいものです。上の例題でも使われています。
例えば、次のような問題です。
2,473 の百の位を四捨五入せよ。
この場合、四捨五入するのは問題に書かれている通り、百の位です。
よって、2,473 を四捨五入すると 2,000 になります。
小数点以下を四捨五入する
「小数点以下を四捨五入する」と言われた場合、小数第一位を四捨五入して、整数にします。
次の問題を見てみましょう。
42.195 の小数点以下を四捨五入せよ。
42.195 の小数第一位の数「1」で四捨五入をします。
1 は 4 以下の数なので、切り捨てられますね。よって、42.195 の小数点以下を四捨五入すると、42(= 42.000)となります。
小数点以下を四捨五入した結果は整数になることに気を付けましょう。
四捨五入して、~の位までの概数にする
「四捨五入して、~の位までの概数(がいすう)にする」というのも、よく用いられる表現です。
この場合、指定された~の位のひとつ下の位を四捨五入します。
次の問題を見てみましょう。
32,718 を四捨五入して、千の位までの概数にせよ。
この場合、百の位まで数値を残すので、四捨五入するのは一つ下の位である「百の位」です。
百の位の数は「7」なので、切り上げられます。
よって、32,718 を四捨五入して、千の位までの概数にした結果は、33,000 となります。
四捨五入して、上から~桁の概数にする
「四捨五入して、上から~桁の概数にする」という場合は、指定された上から~桁目までの数を残すので、その一つ下の位を四捨五入します。
次の問題を見てみましょう。
15,193 を四捨五入して、上から3桁の概数にせよ。
この問題の場合、上から3桁の数は「151」なので、その次の位の数「9」の位置で四捨五入します。
よって、15,193 を四捨五入して、上から3桁の概数にした結果は、15,200 となります。