ベン図の意味と使い方

ベン図とは、集合の関係を図式化したものです。3 つまでの集合をベン図で表すには、各集合に円を用いることが多く、それらの集合の関係を円の重なりによって表します。

このページでは、ベン図の意味と使い方ベン図を使って集合関係を表す方法を、具体例を用いながら分かりやすく説明しています。



もくじ

  1. ベン図の意味と使い方
  2. 集合の関係をベン図で表す

ベン図の意味と使い方

ベン図とは、集合の関係を図式化したものです。3 つまでの集合をベン図で表すには、各集合に円を用いることが多く、それらの集合の関係を円の重なりによって表します。

例として、次の問題を一緒に解いてみましょう。

次の集合

A = {1, 2, 3, 4}

B = {3, 4, 5, 6}

の関係をベン図を使って表せ。

まず、集合の説明をします。集合とは、ある要素の集まりのことです。この問題の場合、A という集合(グループ)には、1, 2, 3, 4 という 4 つの要素(メンバー)があります。一方、B という集合(グループ)には 3, 4, 5, 6 という 4 つの要素(メンバー)があります。これが集合です。

さて、この集合をベン図を使って表してみましょう。ベン図では、集合を閉曲線(集合の数が 3 つまでの場合は、円で表すことがほとんど)で表し、その集合の要素を閉曲線の中に書きます。

よって、2 つの集合 A = {1, 2, 3, 4} と B = {3, 4, 5, 6} を次のように表すことができます。

集合 A と集合 B を閉曲線で表した図
集合 A と集合 B を閉曲線で表した図

しかし、これで終わりではありません。ベン図では集合の関係を把握することができます。上の図にもう一工夫加えてみましょう。

上のベン図を見ると、「3」という要素と「4」という要素は、AB の 2 つの集合両方に属していることが分かります(共通部分)。ベン図ではこういった要素を、集合 AB を表す円の重なり部分に書きます。

よって、この問題の答えは次のようになります。

集合 A と集合 B のベン図
集合 A と集合 B のベン図

このように、ベン図を使うことで、2 つの集合に共に属する「共通部分」の要素や、集合全体「和集合」の要素といった、集合の関係を把握しやすくなるというメリットがあるのです。

3 つの集合のベン図

3 つの集合もベン図で表すことができます。例として、次の問題を解いてみましょう。この問題には、A, B, C という 3 つの集合が存在します。

次の集合

A = {1, 2, 3, 4}

B = {2, 3, 5, 6}

C = {3, 4, 6, 7}

の関係をベン図を使って表せ。

各集合の共通部分を意識しながらベン図を描くと、次のようになります。

3 つの集合をベン図で表した例
3 つの集合をベン図で表した例

ここで、3つの集合 A, B, C すべての要素である「3」は、3つの集合を表す円すべてが重なった場所に書かれていることに注意しましょう。

集合の関係をベン図で表す

ベン図を使うことで、集合の関係を四角的に把握しやすくなるということを、前に述べました。ここからは、集合の関係がベン図でどのように表されるのかを説明していきます。

部分集合

集合 A のすべての要素が集合 B に属しているとき、集合 A を 集合 B部分集合といい、AB または BA と表します。

部分集合をベン図で表すと、次のようになります。

部分集合をベン図で表した
部分集合をベン図で表した

ベン図を使うことで、集合 A が集合 B に含まれていることが一目でわかりますね。

共通部分

集合 AB のどちらにも属する要素全体の集合を、AB共通部分といい、AB と表します。

共通部分をベン図で表すと、次のようになります。

共通部分をベン図で表した
共通部分をベン図で表した

和集合

集合 AB の少なくとも一方に属する要素全体の集合を、AB和集合といい、AB と表します。

共通部分をベン図で表すと、次のようになります。

和集合をベン図を使って表した
和集合をベン図を使って表した

以上のように、ベン図を使うことで集合同士の関係を視覚的に分かりやすく表すことができます。