分数の足し算のやり方
分数の足し算は、通分によって分母をそろえてから分子を足すことで計算できます。
計算の手順は次の 3 ステップになります。
分数の足し算のやり方
- 通分(分母をそろえる)
- 分子同士を足す
- 約分する
例えば、次のように足し算を計算できます。
\begin{align*} \frac{1}{2}+\frac{1}{3} &= \frac{3}{6}+\frac{2}{6} \\[5pt] &= \frac{3+2}{6} \\[5pt] &= \frac{5}{6} \end{align*}
このページでは、分母が同じ分数の足し算のやり方と分母が違う分数の足し算のやり方に分けて、それぞれの計算方法を説明しています。また、帯分数の足し算についても触れています。
もくじ
分母が同じ分数の足し算
分母が同じ分数の足し算は、分母をそのままにして、分子同士を足すことで計算できます。
次の例題を一緒に解いてみましょう。
$ \frac{1}{5} + \frac{2}{5} $ を計算せよ。
この問題は、足し算をする分数の分母が同じ 5 なので分子同士の足し算をすればよいです。分母は 5 のままで、分子同士の足し算 1 + 2 をしたものが、計算の答えとなります。
\begin{align*} \frac{1}{5} + \frac{2}{5} &= \frac{1+2}{5} \\[5pt] &= \frac{3}{5} \end{align*}
答えの分数が約分できる場合は、約分します。例えば、次の例を解いてみましょう。
$ \frac{1}{8} + \frac{3}{8} $ を計算せよ。
分母が同じ分数同士の足し算なので、先ほどと同じように分子同士を足し算します。
\begin{align*} \frac{1}{8} + \frac{3}{8} &= \frac{1+3}{8} \\[5pt] &= \frac{4}{8} \\[5pt] &= \frac{1}{2} \end{align*}
足し算の結果、2 行目で $\frac{4}{8}$ という答えが得られました。これは約分できるので、分子と分母を 4 で割って、答えは $\frac{1}{2}$ となります。
このように、分母が同じ分数の足し算は、分母をそのままにして、分子同士を足すことで計算できます。
分母が違う分数の足し算
分母が違う分数の足し算は、通分をして分母をそろえた後、分子同士を足します。
通分とは、分母の異なる 2 つ以上の分数の値を変えずに、分母をそろえることです。各分数の分子と分母に同じ数を掛けることで、その分母をそろえます。
例として、次の問題を解いてみましょう。
$\frac{1}{2}+\frac{1}{3}$ を計算せよ。
この問題の 2 つの分数の分母は、それぞれ 2 と 3 で異なる数なので、足し算をするにはまず、通分によってこれをそろえる必要があります。
通分するときには、基本的に各分母の最小公倍数に合わせます。2 と 3 の最小公倍数は 6 なので、今回は分母を 6 にそろえましょう。
そのためには、$\frac{1}{2}$ の分子と分母に 3 を、$\frac{1}{3}$ の分子と分母に 2 を掛けます。分子と分母に同じ数を掛けても、その値は変わらないことを確認しておきましょう(お互い約分できますね)。
それぞれ
\begin{align*} \frac{1}{2} &= \frac{1\times3}{2\times3} \\[5pt] &= \frac{3}{6} \end{align*}
となり
\begin{align*} \frac{1}{3} &= \frac{1\times2}{3\times2} \\[5pt] &= \frac{2}{6} \end{align*}
となります。
分母がそろったら、あとは「分母が同じ分数の足し算」と同じように、分子同士を足します。
\begin{align*} \frac{3}{6}+\frac{2}{6} &= \frac{3+2}{6} \\[5pt] &= \frac{5}{6} \end{align*}
$\frac{5}{6}$ は約分できないので、この問題の答えは $\frac{5}{6}$ となります。最後の答えが約分できる分数は、忘れずに約分しましょう。
最後に、この計算の流れをまとめて書くと次のようになります。
\begin{align*} \frac{1}{2}+\frac{1}{3} &= \frac{1\times3}{2\times3} + \frac{1\times2}{3\times2} \\[5pt] &= \frac{3}{6} + \frac{2}{6} \\[5pt] &= \frac{3+2}{6} \\[5pt] &= \frac{5}{6} \end{align*}
このように、分母が異なる分数の足し算は、まず通分によって分母をそろえてから、分子同士を足すことで計算できます。
分数と整数の足し算
分数と整数の足し算では、整数を分数に書き直して分数同士の足し算として計算します。書き直した分数は、上で述べたのと同様、通分する必要があります。
問題を解いてみましょう。
$\frac{1}{3}+2$ を計算せよ。
分数+整数の形になった計算問題ですね。整数の 2 を分数に書き換えると、次のようにできます。
\[ 2=\frac{2}{1}=\frac{6}{3} \]
まず、整数は分母が 1 の分数と同じなので、 $2$ は $\frac{2}{1}$ と同じになります。さらにこれを通分して、問題にある $\frac{1}{3}$ と分母をそろえます。これは、$\frac{2}{1}$ の分子と分母に $3$ を掛ければ良いですね。
よって、次のように計算できます。
\begin{align*} \frac{1}{3}+2 &= \frac{1}{3}+\frac{6}{3} \\[5pt] &= \frac{1+6}{3} \\[5pt] &= \frac{7}{3} \end{align*}
したがって、計算の答えは、$\frac{7}{3}$ です。
帯分数の足し算
帯分数の足し算は、整数部分の和と分数部分の和を合わせて書きます。
次の計算問題を解いてみましょう。
$2\frac{1}{5}+1\frac{3}{5}$ を計算せよ。
整数部分の足し算は、$2+1=3$ となり、分数部分の足し算は $\frac{1}{5}+\frac{3}{5}=\frac{4}{5}$ となります。
よって、答えは次のようになります。
\begin{align*} 2\frac{1}{5}+1\frac{3}{5} &= 3\frac{4}{5} \end{align*}
もっと詳しい計算の手順は「帯分数の足し算の計算方法」のページをご覧ください。
帯分数の足し算は、必要に応じて分数部分の通分をしたり、仮分数となった計算結果を帯分数に直したりする必要があります。
帯分数を使うのは小学校くらいで、中学校以降はすべて仮分数で書き表すようになるので、帯分数の足し算はそれほど重要ではないと思います。