掛け算の筆算のやり方

( ) け算の 筆算 ( ひっさん ) 基本 ( きほん ) のやり方は、 ( つぎ ) の 3 ステップです。

()け算の筆算を計算する 3 つのステップ(かける数が 2 桁の場合)

  1. かける数の一の位の()け算をする
  2. かける数の十の位の()け算をする
  3. これまでの結果を足し合わせる

このページでは、()け算の筆算のやり方を分かりやすく説明しています。

はじめに筆算の基本のステップを説明したあと、かける数が 1 桁の()け算と、かける数が 2 桁の()け算具体例 ( ぐたいれい ) を説明をします。次ページでは、小数点がある場合の()け算の方法を説明しています。


もくじ

  1. ()け算の筆算の基本
  2. かける数が 1 桁である()け算の筆算
    1. くり上がりがない()け算
    2. くり上がりがある()け算
  3. かける数が 2 桁である()け算の筆算
    1. くり上がりがない()け算
    2. くり上がりがある()け算
  4. 小数点がある()け算の筆算(次ページ)
    1. 小数×整数の筆算
    2. 整数×小数の筆算
    3. 小数×小数の筆算
  5. 小数点とともに 0(ゼロ)を打ち消したりおぎなったりする計算(次ページ)
    1. 計算結果から 0(ゼロ)を打ち消す場合
    2. 計算結果に 0(ゼロ)をおぎなう場合

()け算の筆算の基本

ここでは、()け算の筆算のやり方を基本から説明します。かける数の一の位の()け算 → かける数の十の位の()け算 → 計算結果の足し合わせ の 3 つのステップをよく確認してください。

それでは、次の 例題 ( れいだい ) 一緒 ( いっしょ ) ( ) いていきましょう。

12 × 24 を筆算で計算せよ。

まず、()け算の筆算では、かけられる数(=12)とかける数(=24)を次のように書きます。このとき、位をしっかりとそろえて書くことが大切です。

筆算において、かける数とかけられる数の書き方:上の段にかけられる数を書き、下の段にかける数を書く。下の段の左側に<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の記号「×」を書き、下の段の下側に横棒を書く。
()け算の筆算の書き方(上の段にかけられる数、下の段にかける数を書く)

計算の 手順 ( てじゅん ) はこのあと ( しめ ) すので、 最終的 ( さいしゅうてき ) な筆算の 結果 ( けっか ) を見てみましょう。筆算を書き終えた状態は次のようになります。()け算の結果である積は、一番下に書かれます。

<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算の全体像と、筆算が終わった後の積の位置
筆算の全体像と、筆算が終わった後の積の位置

それでは、()け算の筆算を一緒に行っていきます。下の 手順 ( てじゅん ) にしたがって、やり方をひとつずつ 確認 ( かくにん ) してください。

()け算の筆算の計算手順

  1. 1
    かける数「一の位」 × かけられる数「一の位」の計算
    「かける数の一の位」の数 4 を、「かけられる数の一の位」の数 2 にかけた積 8 を一の位に書きます。
    4 × 2 = 8
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算:下の段に書かれた「かける数の一の位」の数 4 を、上の段に書かれた「かけられる数の一の位」の数 2 にかけた積 8 を、横線の下、かける数の一の位の下の位置に書きます。
  2. 2
    かける数「一の位」 × かけられる数「十の位」の計算
    「かける数の一の位」の数 4 を、「かけられる数の十の位」の数 1 にかけた積 4 を十の位に書きます。
    4 × 1 = 4
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算:下の段に書かれた「かける数の一の位」の数 4 を、上の段に書かれた「かけられる数の十の位」の数 1 にかけた積 4 を、横線の下、かける数の十の位の下の位置に書きます。
  3. 3
    かける数「十の位」 × かけられる数「一の位」の計算
    「かける数の十の位」の数 2 を、「かけられる数の一の位」の数 2 にかけた積 4 を十の位に書きます。
    2 × 2 = 4
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算:下の段に書かれた「かける数の十の位」の数 2 を、上の段に書かれた「かけられる数の一の位」の数 2 にかけた積 4 を、横線の下、かける数の十の位の下の位置に書きます。
  4. 4
    かける数「十の位」 × かけられる数「十の位」の計算
    「かける数の十の位」の数 2 を、「かけられる数の十の位」の数 1 にかけた積 2 を百の位に書きます。
    2 × 1 = 2
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算:下の段に書かれた「かける数の十の位」の数 2 を、上の段に書かれた「かけられる数の十の位」の数 1 にかけた積 2 を、横線の下、百の位の位置に書きます。
  5. 5
    一の位の計算結果を足し合わせる
    最後に、横線を書いてから、その下にこれまでの計算で得られた数字の足し算の結果を書きます。
    一の位から順番に計算をしていきましょう。一の位はひとつだけ 8 が書かれていますので、そのまま下におろします。
    割り算の筆算:これまでの計算で得られた一の位の数を足します。いま書かれているのは 8 だけなので、そのまま下におろします。
  6. 6
    十の位の計算結果を足し合わせる
    十の位には 4 と 4 の 2 つの数字が書かれているので、足した結果である 8 を十の位に書きます。
    4 + 4 = 8
    割り算の筆算:これまでの計算で得られた十の位の数を足します。4と4を足した和である8を横線の下、十の位の位置に書きます。
  7. 7
    百の位の計算結果を足し合わせる
    百の位には 2 が書かれているので、それを下におろして書きます。
    すべての桁の足し算が終わったら、筆算が完了です。
    割り算の筆算:これまでの計算で得られた百の位の数を足します。百の位には2が書かれているので、そのまま下におろします。

筆算の結果は次のようになりました。()け算の積は筆算の一番下に書かれます。

<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算のすべての過程です。12 × 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果である積は一番下に書かれた数字 288 です。
筆算が終わった後の積の位置

よって、12 × 24 の計算結果は、288 と求まりました。


()け算の筆算のやり方を 理解 ( りかい ) できたでしょうか?

( つづ ) いては、今の筆算の手順をもとにして、かける数が 1 桁の場合と 2 桁の場合それぞれについて、くりあがりがある場合とない場合の筆算の手順を確認しましょう。具体的な計算手順を図で説明していきます。

かける数が 1 桁である()け算の筆算

ここからは、かける数が 1 ( けた ) である()け算の筆算のやり方を、具体的に見ていきましょう。前に紹介したかける数が 2 桁の場合よりも簡単ですが、くり上がりがある場合の計算方法も説明します。

くり上がりがない()け算

かける数が 1 桁で、くり上がりがない()け算の場合は、上の計算手順の途中結果と同じです。次の例題を使って、手順を再度確認しましょう。

12 × 4 を筆算で計算せよ。

  1. 1
    かける数「一の位」 × かけられる数「一の位」の計算
    はじめに、かける数とかけられる数の位をそろえて、縦に並べて書きます。
    次に、「かける数の一の位」の数 4 を、「かけられる数の一の位」の数 2 にかけた積 8 を一の位に書きます。
    4 × 2 = 8
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算(12×4):下の段に書かれた「かける数の一の位」の数 4 を、上の段に書かれた「かけられる数の一の位」の数 2 にかけた積 8 を、横線の下、かける数の一の位の下の位置に書きます。
  2. 2
    かける数「一の位」 × かけられる数「十の位」の計算
    「かける数の一の位」の数 4 を、「かけられる数の十の位」の数 1 にかけた積 4 を十の位に書きます。
    4 × 1 = 4
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算(12×4):下の段に書かれた「かける数の一の位」の数 4 を、上の段に書かれた「かけられる数の十の位」の数 1 にかけた積 4 を、横線の下、かける数の十の位の下の位置に書きます。
12 × 4 の筆算の結果
12 × 4 の筆算の結果

よって、12 × 4 = 28 と求まりました。

くり上がりがある()け算

くり上がりがある()け算の筆算の例を見てみましょう。

12 × 6 を筆算で計算せよ。

筆算の流れはくり上がりがない場合と同じです。一の位の()け算をした結果が 2 桁の数字になるので、くり上がりがあります。筆算の書き方を確認しましょう。

  1. 1
    くり上がりの数を、左となりの位に小さく書く
    はじめに、これまでの手順と同じく、「かける数の一の位」 × 「かけられる数の一の位」を計算します。6 かける 2 は 12 であり、結果が 2 桁の数字になりました。
    ()け算の結果が 2 桁の数字になるとき「くり上がり」があるといい、十の位の数字「1」を図のように左となりの位に小さく書きます。
    6 × 2 = 12
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算(12×6):「かける数の一の位」の数 6 を、「かけられる数の一の位」の数 2 にかけた積 12 を、横線の下に書きます。この時、十の位の数「1」は、左となりの位の横線の下に、小さく書きます。これがくり上りの数です。
  2. 2
    次の位の()け算の結果に、くり上がりの数を足す。
    次に、「かける数の一の位」 × 「かけられる数の十の位」を計算します。6 かける 1 は 6 です。
    くり上りがない場合は、横線の下に 6 を書きますが、今回はくり上りがあるので注意が必要です。前の位でくり上がっていた数「1」があるので、これを 6 に足した 7 を十の位に書きます。
    6 × 1 + 1 = 7
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算(12×6):「かける数の一の位」の数 6 を、「かけられる数の一の位」の数 1 にかけた積 6 に、前の位の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算でくり上がった「1」を足した 7 を十の位の位置に書きます。
  3. 3
    計算結果は横線の下に書かれた大きな数字
    筆算の結果得られる積は、横線の下に書かれた大きな数字 72 です。くり上がりの 1 は計算結果ではないので、間違えて読んでしまわないように気を付けましょう。
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算(12×6):くり上りのある<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果は、横線の下に書かれた大きな数字です。くり上がりの小さな数字「1」は計算結果ではないので、間違って読まないように注意しましょう。12×6の筆算の結果は、72です。

筆算によって、12 × 6 = 72 と計算できました。

なお、くり上りの数字を書く場所は先生によって指導方法が異なるので、先生の教え方にしたがってください。

かける数が 2 桁である()け算の筆算

ここからは、かける数が 2 桁の場合()け算の筆算のやり方を説明していきます。

最初にくり上がりがない場合の筆算の手順を示した後、くり上がりがある場合の手順を説明します。くり上がりがある場合の方法は、前に説明したかける数が 1 桁でくり上りがある場合と、次に説明するかける数が 2 桁でくり上りがない場合の考え方をミックスさせたものですので、2 つの基礎をしっかり身に着けてから取り組みましょう。

くり上がりがない()け算

かける数が 2 桁で、くり上がりがない()け算の場合は、「()け算の筆算の基本」で説明した通りです。改めて、例題と筆算の結果を見てみましょう。

12 × 24 を筆算で計算せよ。

計算手順は「()け算の筆算の基本」をご覧ください。筆算の結果は次のようになります。

12 かける 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算のすべての過程です。12 × 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果である積は一番下に書かれた数字 288 です。
12 × 24 の筆算の結果

12 × 24 の筆算の結果は、図の一番下に書かれた 288 です。

くり上がりがある()け算

ここからは、かける数が 2 桁でくり上りがある()け算の筆算の方法を説明します。次の例題を一緒に解いてみましょう。

12 × 76 を筆算で計算せよ。

これまでに説明した、かける数が 1 桁でくり上りがある場合と、かける数が 2 桁でくり上りがない場合の考え方を使って、筆算の仕方を確認していきましょう。

  1. 1
    かける数の「一の位」の計算
    はじめに、「かける数の一の位」の計算をします。この手順は、前に説明したかける数が 1 桁でくり上りがある場合と同じ手順です。例題では同じ数字を使っているので リンク先をから手順を確認してください。
    小さな数字の「1」はくり上がりの数字です。
    12 × 6 = 72
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算(12×76):「かける数の一の位」の数 6 を、かけられる数の 12 にかけた結果の 72 を、横線の下に書きます。
  2. 2
    かける数の「十の位」 × かけられる数の「一の位」でくり上がり
    「かける数の十の位」の数 7 を、「かけられる数の一の位」の数 2 にかけた積 14 を書きます。十の位の数字「1」はくり上がりの数なので、左どなりの位に小さく書きます。
    7 × 2 = 14
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算(12×76):「かける数の十の位」の数 7 を、「かけられる数の一の位」 2 にかけた結果の 14 を、横線の下に書きます。くり上がりの数 1 は、左となりの位に小さく書きます。
  3. 3
    かける数の「十の位」 × かけられる数の「十の位」にくり上がりの数を足す
    「かける数の一の位」の数 7 を「かけられる数の十の位」の数 1 にかけた積 7 に、くり上がりの数「1」を足した結果である 8 を書きます。
    7 × 1 + 1 = 8
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算(12×76):「かける数の十の位」の数 7 を、「かけられる数の十の位」 1 にかけた結果の 7 に、前の計算でくり上がっていた 1 を足した 8 を横線の下に書きます。
  4. 4
    計算結果を足し合わせる
    最後に、これまでの計算結果を足し合わせます。ここでは足し算の筆算のくり上がりが登場しますので、注意してください。
    一の位は 2 だけなので、下におろして横線の下に書きます。
    十の位は 7 と 4 を足した結果である 11 になります。ここで十の位の数字 1 は左どなりの位に小さく書きます。この 1 は足し算のくり上がりの数です。
    百の位は、8 に前の位のくり上がりの数である 1 を足した結果である 9 を書きます。
    計算の際に、ステップ 2 やステップ 3 で使ったくり上がりの数を間違って足さないように気を付けましょう。
    72 + 840 = 912
    <ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算(12×4):下の段に書かれた「かける数の一の位」の数 4 を、上の段に書かれた「かけられる数の一の位」の数 2 にかけた積 8 を、横線の下、かける数の一の位の下の位置に書きます。

筆算の結果は次のようになりました。

12 かける 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算のすべての過程です。12 × 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果である積は一番下に書かれた数字 288 です。
12 × 24 の筆算の結果

()け算の結果は筆算の一番下に書かれている 912 です。よって、12 × 76 = 912 と求まりました。


次ページでは、小数点がある場合の()け算の筆算のやり方を説明しています。。