掛け算の筆算のやり方 - 小数点がある場合

小数点がある()け算の筆算は、次の手順で小数点の位置を求めて計算します。

小数点がある()け算の計算方法

  1. はじめに、小数点を無視して()け算の筆算をする
  2. かけられる数の小数点以下の文字数を数える
  3. かける数の小数点以下の文字数を数える
  4. 手順 2 と 3 の文字数を足した和を求める
  5. 筆算の結果の右側から、手順 4 で求めた文字数分を数えて、その左側に小数点を打つ
  6. 必要に応じて 0 の打ち消しや、0 のおぎないをする。

このページでは、小数点がある()け算の筆算のやり方を分かりやすく説明しています。

整数の()け算については、前のページで説明していますので、自信が無い方は先に整数の()け算のページを確認してください。このページでは、小数の掛け算のやり方と、計算結果の 0(ゼロ)を打ち消したり、0(ゼロ)をおぎなう方法を説明しています。


もくじ

  1. ()け算の筆算の基本(前ページ)
  2. かける数が 1 桁である()け算の筆算(前ページ)
    1. くり上がりがない()け算
    2. くり上がりがある()け算
  3. かける数が 2 桁である()け算の筆算(前ページ)
    1. くり上がりがない()け算
    2. くり上がりがある()け算
  4. 小数点がある()け算の筆算
    1. 小数×整数の筆算
    2. 整数×小数の筆算
    3. 小数×小数の筆算
  5. 小数点とともに 0(ゼロ)を打ち消したりおぎなったりする計算
    1. 計算結果から 0(ゼロ)を打ち消す場合
    2. 計算結果に 0(ゼロ)をおぎなう場合

小数点がある()け算の筆算

ここからは、小数の()け算の筆算のやり方を説明していきます。

前のページで学習した()け算の筆算のやり方に加えて、計算結果のどこに小数点を打てば良いのか理解をしましょう。

小数×整数の筆算

小数×整数の()け算の筆算では、最後の計算結果に、かけられる数の小数点の真下の位置に小数点を打ちます。次の例題を確認してみましょう。

1.2 × 24 を筆算で計算せよ。

はじめに、小数点を無視して()け算の筆算をします。この計算手順は「()け算の筆算の基本」をご覧ください。次に、下の図のように、かけられる数 1.2 の小数点を、一番下の計算結果の数字まで真下におろします。

1.2 かける 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算のすべての過程です。12 × 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果に、かけられる数 1.2 の小数点を真下におろして、積は 28.8 になります。
1.2 × 24 の筆算の結果

これで、1.2 × 24 の計算ができました。筆算の結果から、積は 28.8 と求まりました。

整数×小数の筆算

整数×小数の()け算の筆算は、上の問題(小数×整数)と同じ考えで計算をします。最後の計算結果に、かける数の小数点の真下の位置に小数点を打ちます。次の例題を確認してみましょう。

12 × 2.4 を筆算で計算せよ。

一度、小数点を無視して()け算の筆算をします。この計算手順は「()け算の筆算の基本」をご覧ください。最後に、下の図のように、かける数 2.4 の小数点を、一番下の計算結果の数字まで真下におろします。

12 かける 2.4 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算のすべての過程です。12 × 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果に、かける数 2.4 の小数点を真下におろして、積は 28.8 になります。
12 × 2.4 の筆算の結果

これで、12 × 2.4 の計算ができました。筆算の結果から、積は 28.8 と求まりました。

小数×小数の筆算

小数×小数の()け算の筆算は、次の手順で計算をします。

小数点がある()け算の計算方法

  1. はじめに、小数点を無視して()け算の筆算をする
  2. かけられる数の小数点以下の文字数を数える
  3. かける数の小数点以下の文字数を数える
  4. 手順 2 と 3 の文字数を足した和を求める
  5. 筆算の結果の右側から、手順 4 で求めた文字数分を数えて、その左側に小数点を打つ
  6. 必要に応じて 0 の打ち消しや、0 のおぎないをする。

この手順に沿って、小数×小数の 2 つの問題を解いてみましょう。最初の問題はこちらです。

1.2 × 2.4 を筆算で計算せよ。

かけられる数 1.2 と、かける数 2.4 の両方が小数ですね。

一度、小数点を無視して()け算の筆算をします。この計算手順は「()け算の筆算の基本」をご覧ください。

次に、小数点の位置を求めます。かけられる数 1.2 の小数点以下の文字数は 1 です。かける数 2.4 の小数点以下の文字数は 1 です。その和は 1 + 1 = 2 となります。したがって、計算結果の小数点の位置は、筆算の最後の行の 288 の右側から、2 文字を数えた位置です。

1.2 かける 2.4 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算のすべての過程です。12 × 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果に、1.2 と 2.4 の小数点以下の文字数である 2 桁分、右から数えた位置に小数点を打ちます。
1.2 × 2.4 の筆算の結果

これで、1.2 × 2.4 の計算ができました。筆算の結果から、積は 2.88 と求まりました。


もう一つ別の問題を解いてみましょう。

1.12 × 2.4 を筆算で計算せよ。

かけられる数 1.12 と、かける数 2.4 の両方が小数ですね。

一度、小数点を無視して()け算の筆算をします。

次に、小数点の位置を求めます。かけられる数 1.12 の小数点以下の文字数は 2 です。かける数 2.4 の小数点以下の文字数は 1 です。その和は 2 + 1 = 3 となります。小数点の位置は、筆算の最後の行の結果 288 の右側から、3 文字を数えた位置です。

1.12 かける 2.4 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算のすべての過程です。112 × 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果に、1.12 と 2.4 の小数点以下の文字数である 3 桁分、右から数えた位置に小数点を打ちます。
1.12 × 2.4 の筆算の結果

これで、1.12 × 2.4 の計算ができました。筆算の結果から、積は 2.688 と求まりました。

小数点とともに 0(ゼロ)を打ち消したりおぎなったりする計算

ここからは、小数の()け算とともに、 0(ゼロ)を打ち消したりおぎなったりする場合の説明をします。

計算結果から 0(ゼロ)を打ち消す場合

計算の結果、小数点以下の最後の部分に 0(ゼロ)がある場合は、最後の計算結果ではこのゼロを打ち消します。

次の例題を解いてみましょう。

1.2 × 1.5 を筆算で計算せよ。

一度、小数点を無視して()け算の筆算をしたあと、小数点の位置を求めます。かけられる数 1.2 の小数点以下の文字数は 1 です。かける数 1.5 の小数点以下の文字数は 1 です。その和は 1 + 1 = 2 となります。小数点の位置は、筆算の最後の行の結果 180 の右側から、2 文字を数えた位置です。

1.2 かける 1.5 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算のすべての過程です。12 × 15 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果に、1.2 と 1.5 の小数点以下の文字数である 2 桁分、右から数えた位置に小数点を打ちます。小数点以下の最後の 0 は、最後の結果では打ち消します。
1.2 × 1.5 の筆算の結果(小数点以下の最後の 0 を消す)

計算結果に小数点を打つと、 1.80 になります。小数点以下の最後の 0(ゼロ)は必要ないので、このゼロはななめ線を引いて打ち消します。その結果、最終的な答えは 1.8 となります。

計算結果に 0(ゼロ)をおぎなう場合

計算の結果、小数点の前までに数字がない場合は、最後の計算結果に 0(ゼロ)をおぎないます。

次の例題を解いてみましょう。

0.3 × 2.4 を筆算で計算せよ。

一度、小数点を無視して()け算の筆算をしたあと、小数点の位置を求めます。かけられる数 0.3 の小数点以下の文字数は 1 です。かける数 2.4 の小数点以下の文字数は 1 です。その和は 1 + 1 = 2 となります。小数点の位置は、筆算の最後の行の結果 72 の右側から、2 文字を数えた位置です。

0.3 かける 2.4 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の筆算のすべての過程です。3 × 24 の<ruby>掛<rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>け算の結果に、0.3 と 2.4 の小数点以下の文字数である 2 桁分、右から数えた位置に小数点を打ちます。小数点の前に数字がありませんが、最後の結果では 0 を補います。計算結果は、0.72 です。
0.3 × 2.4 の筆算の結果(小数点の前に 0 をおぎなう)

小数点を打つと、「.72」となりますが、小数点の一つ前まで 0(ゼロ)をおぎなう必要があります。よって、最後の計算結果では、0.72 となります。


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