不等号の使い方と読み方
不等号とは、二つの数や式の大小関係を表す数学記号です。代表的なものには >, <, ≧, ≦ の4種類があります。それぞれの記号の意味と読み方は、次の通りです。
- >
- 左辺が右辺よりも大きいことを示す(読み方:大なり)
- <
- 左辺が右辺よりも小さいことを示す(読み方:小なり)
- ≧
- 左辺が右辺以上であることを示す(読み方:大なりイコール)
- ≧
- 左辺が右辺以下であることを示す(読み方:小なりイコール)
不等号を使って書いた式を不等式といいます。
このページの続きでは、不等号の具体的な使い方と、読み方の例を説明しています。また、HTML や TeX で不等号を出力するための方法も説明しています。
もくじ
不等号の使い方
不等号 >, <を使うには、「>」の形の開いた側の辺により大きな数を、その反対側により小さな数を書きます。
例えば、次のようになります。
3 > 2
上の式は、3 は 2 より大きいことを示しています。
この式の右辺と左辺を入れ替え、不等号の向きを逆にした式
2 < 3
は、上の式と同じ意味になります。
もう一つの例として、文字式を使った不等式を見てみましょう。
x < 3
これは、x が 3 より小さいことを示しています。数直線上に x の範囲を示すと、次のようになります。
このように数直線上でその数自身を含まないことを表すには、白丸 ◯ を使います。不等号で範囲を指定するのは、関数の変域を表すのによく使いますね。
最後に、「~より小さい」「~より大きい」という表現は、その数~自身を含まないことに注意しましょう。例えば 5 より小さい自然数というと、4, 3, 2, 1 となり、5 自身は含みません。
等号付き不等号
続いて、等号付きの不等号 ≧ や ≦ の使い方です。これらは、上の > や < の下に等号を付けたものです。≧ は左辺が右辺以上であることを表し、≦ は左辺が右辺以下であることを表します。
例えば、変数 x の変域が次の不等式で表されているとします。
x ≧ -2
これは x が -2 以上の数であることを表しています。数直線上に表すと次のようになります。
このように数直線上でその数自身を含むことを表すには、黒丸 ● を使います。
「以上」「以下」という表現は、その数自身を含むことに注意しましょう。例えば 5 以下の自然数というと、5, 4, 3, 2, 1 となり、5 自身を含みます。上で説明した「~より小さい」「~より大きい」という表現との違いを確認してください。
不等号の読み方
4種類の不等号 >, <, ≧, ≦ のそれぞれの読み方は、次の通りです。括弧内には、英語の読み方を示しました(数式の英語読みについて詳しくは、「英語による数式の読み方」をご覧ください)。
- >
- 大なり(is greater than)
- <
- 小なり(is less than)
- ≧
- 大なりイコール(is greater than or equal to)
- ≦
- 小なりイコール(is less than or equal to)
例えば、次の不等式
3 > 2
は、「3 大なり 2」と読みます。
変域を表すのに使われる 3 辺の不等式も、同様の読み方をします。例えば、次の式
-2 ≦ x < 3
は、「マイナス 2 小なりイコール エックス 小なり 3」と読みます。
HTML および TeX での入力方法
HTML での入力方法
HTML では、不等号 > や < はタグを表すため、直接記述することができません。そこで、次の文字コードを使用します。
- >
- >
- <
- <
記号はそれぞれ、英語読みの greater than と less than に由来します。
上の文字コードは文字実態参照ですが、下の数値文字参照でも出力することができます。
- <
- <
- >
- >
等号付き不等号も、次のコードで出力できます。ただし、下に付く等号は1本線であることに注意しましょう。意味は ≧ や ≦ と変わりません。
- ≤
- ≤
- ≥
- ≥
記号はそれぞれ、英語読みの greater than or equal to と less than or equal to に由来します。
等号付き不等号を数値文字参照で表すと次のようになります。
- ≤
- ≤
- ≥
- ≥
TeX での出力方法
TeX で不等号 > や < を出力するには、直接 > や < と入力します。
等号付き不等号はそれぞれ、以下の通り入力します。
- $\geq$
- \geq
- $\leq$
- \leq
- $\geqq$
- \geqq
- $\leqq$
- \leqq