ppm の計算と換算
ppm とは百万分率を意味する割合の単位です。主に微量物質の濃度を表すのに用いられます。このページでは ppm の計算の方法や、ppm と % の単位換算の方法を説明しています。
\begin{align*} 1 \,\mathrm{ppm} &= 10^{-6} \\[6pt] &= 0.000001 \\[6pt] &= 0.0001\,\% \\[10pt] 1 \,\% &= 10,000 \,\textrm{ppm} \end{align*}
もくじ
ppm とは
ppm とは、百万分率を表す割合の記号であり、10-6 を意味します。百分率を表す % と同類の単位記号です。
ppm は、"parts per million" の頭文字をとった略であり、part は「割合」、per は「~ごとの」、millionは「百万」という意味です。したがって、百万分のいくらの割合であるかを意味します。
主に、環境中の微量物質の濃度を表すためなどに用いられています。
気体中の微量物質(二酸化炭素など)の濃度について用いる場合は、空気 1 m3 中に含まれる該当成分の量(mL 単位)を表すのに用いられます。すなわち、ppm は mL/m3(= cm3/m3)を意味します。
また、水中の微量物質の濃度について用いる場合、水 1 L 中に含まれる該当成分の量(mg 単位)を近似的に表すこともあります。すなわち、ppm は mg/L を意味します。
ppm の計算方法
塩素 1 mg が溶けている水 1 kg の塩素濃度は次のように求められます。
\begin{align*} \text{濃度} &= \frac{\text{溶質}}{\text{溶液}} \times 10^6 \,\text{ppm} \\ &= \frac{1 \,\text{mg}}{1 \,\text{kg}} \times 10^6 \,\text{ppm} \\ &= \frac{1 \times 10^{-3} \,\text{g}}{1 \times 10^3 \,\text{g}} \times 10^6 \,\text{ppm} \\ &= 1 \,\text{ppm} \end{align*}
% の計算式
(濃度)=(割合)× 100 %
を、ppm では
(濃度)=(割合)× 1000000 ppm
に変更すれば計算することができます。
ppm から含有量の計算
二酸化炭素濃度が 400 ppm である空気 1 L 中に含まれる二酸化炭素の体積を求めよ。
ppm は百万分の一を意味することから、ppm を 10-6 に置き換えることで計算できます。
\begin{align*} \text{二酸化炭素の体積} &= \text{全体積} \times \text{割合} \\ &= 1 \,\text{L} \times 400 \,\text{ppm} \\ &= 1 \,\text{L} \times \left( 400 \times 10^{-6} \right) \\ &= 4.00 \times 10^{-4} \,\text{L} \\ &= 0.400 \,\text{mL} \end{align*}
ppm と % の単位換算
ppm は割合を 106 倍(百万倍)した値であることを表し、% は割合を 102 倍(百倍)した値であることを表しています。
したがって、ppm 単位から % 単位に変換するには、値を 10-4 倍(0.0001 倍)すればよく、逆に、% 単位から ppm 単位に変換するには、値を 104 倍(10000 倍)すればよいことが分かります。
換算例をいくつか、下に挙げます。
- $ \hphantom{0000,} 1 \,\text{ppm} = 0.0001 \hphantom{}\,\% $
- $ \hphantom{000,} 10 \,\text{ppm} = 0.001 \hphantom{0}\,\% $
- $ \hphantom{00,} 100 \,\text{ppm} = 0.01 \hphantom{00}\,\% $
- $ \hphantom{0} 1,000 \,\text{ppm} = 0.1 \hphantom{000}\,\% $
- $ \hphantom{} 10,000 \,\text{ppm} = 1 \hphantom{0000.}\,\% $
例えば、空気中の二酸化炭素濃度は約 400 ppm であり、これをパーセントに変換すると、0.04 % となります。