偏差の意味と求め方
もくじ
偏差の求め方
偏差とは、個々の数値と平均値との差のことです。個々のデータが平均値から偏っている程度を表しています。
偏差は次の式で求めることができます(式の意味を無理に理解する必要はありません)。
偏差を求める式
偏差 $= x_i - \overline{x} $
ここで、
$x_i$ は個々の数値
$\overline{x}$ はデータの平均値
を表しています。
それでは、例題を解いて、具体的に偏差を求めてみましょう。
次に示す、英語の得点データの各人の偏差を求めよ。
点数 | |
---|---|
A さん | 71($=x_1$) |
B さん | 80($=x_2$) |
C さん | 89($=x_3$) |
偏差を求めるにはまず、平均値を計算します。平均値は、データの和をデータの個数で割ることで求められます。
平均値を $\overline{x}$ で表すと、次のように計算できます。
\begin{align*} \overline{x} &= \frac{71+80+89}{3} \\[5pt] &= 80 \end{align*}
よって、平均値 $\overline{x}=80$ と求まりました。
次に、各データ($x_i$)から平均値($\overline{x}$)を引くことで、偏差を求めることができます。
A さんの偏差は
(A さんの得点 $x_1$)-(平均値 $\overline{x}$)=$71-80 = -9$ と求まります。
同様に、B さんの偏差は
(B さんの得点 $x_2$)-(平均値 $\overline{x}$)=$80-80 = 0$
C さんの偏差は
(C さんの得点 $x_3$)-(平均値 $\overline{x}$)=$89-80 = 9$ と求まります。
これで、例題を解くことができました。計算で求まった平均値と偏差を、先ほどの表に書き加えると、次のようになります。
点数 | 偏差 | |
---|---|---|
A さん | 71($=x_1$) | -9($=x_1-\overline{x}$) |
B さん | 80($=x_2$) | 0($=x_2-\overline{x}$) |
C さん | 89($=x_3$) | 9($=x_3-\overline{x}$) |
平均値 | 80($=\overline{x}$) | ー |
平均点(80 点)よりも点数の低い A さんの偏差(-9 点)は負で、平均点(80 点)よりも点数の高い C さんの偏差(9 点)は正であることが分かります。
平均点(80 点)と同じ点数の B さんの偏差は 0 点であり、これは平均値からの偏りがないことを表しています。
以上が偏差を求める方法です。続いて、もう一問例題を解いてみましょう。
それでは、別のデータで偏差を求める練習をしてみましょう。
次に示す、数学の得点データの各人の偏差を求めよ。
点数 | |
---|---|
A さん | 77($=x_1$) |
B さん | 80($=x_2$) |
C さん | 83($=x_3$) |
偏差を求めるにはまず、データの平均値を計算します。平均値 $\overline{x}$ は
\begin{align*} \overline{x} &= \frac{77+80+83}{3} \\[5pt] &= 80 \end{align*}
より、80 点と求まりました。前の例題と一緒ですね…。
続いて、それぞれの点数からこの平均値を引くと、偏差が求まります。
A さんの偏差は
(A さんの得点 $x_1$)-(平均値 $\overline{x}$)=$77-80 = -3$ と求まります。
同様に計算すると、B さんの偏差は 0 点、C さんの偏差は 3 点と求まります。
これらの結果を表に書き加えると、次のようになります。
点数 | 偏差 | |
---|---|---|
A さん | 77($=x_1$) | -3($=x_1-\overline{x}$) |
B さん | 80($=x_2$) | 0($=x_2-\overline{x}$) |
C さん | 83($=x_3$) | 3($=x_3-\overline{x}$) |
平均値 | 80($=\overline{x}$) | ー |