三角形の合同条件
三角形の合同条件とは、2つの三角形が合同であることを示すための条件です。以下の3つの合同条件のうち、どれかが成り立つ場合、その三角形は合同であるといえます。
- 3組の辺がそれぞれ等しい。
- 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい。
- 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい。
直角三角形の合同条件は、次の2つです。
- 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。
- 斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。
このページの続きでは、三角形の図を見ながら、これらの合同条件を確認していきましょう。
もくじ
三角形の合同条件
ここでは、三角形の合同条件を図と共に確認していきましょう。
三角形の合同条件は、次の3つがあります。
3組の辺がそれぞれ等しい
「3組の辺がそれぞれ等しい」とは、上の2つの三角形で
\begin{align*} AB&=A'B' \\[5pt] BC&=B'C' \\[5pt] CA&=C'A' \\[5pt] \end{align*}
が成り立つときをいいます。
この条件を、3辺相当(SSS: Side-Side-Side)とも言います。
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」とは、上の2つの三角形で
\begin{align*} AB&=A'B' \\[5pt] BC&=B'C' \\[5pt] \angle B&=\angle B' \\[5pt] \end{align*}
が成り立つときをいいます。
この条件を、2辺夾角相当(SAS: Side-Angle-Side)とも言います。
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」とは、上の2つの三角形で
\begin{align*} BC&=B'C' \\[5pt] \angle B&=\angle B' \\[5pt] \angle C&=\angle C' \\[5pt] \end{align*}
が成り立つときをいいます。
この条件を、2角夾辺相当(ASA: Angle-Side-Angle)とも言います。
以上3つの合同条件のうち、どれか1つでも満たす三角形は、合同であるといえます。
三角形の合同条件は中学2年で学習すると思いますが、中学3年で学習する三角形の相似条件と似ています。相似条件との類似点も意識しながら、覚えるとよいでしょう。
ちなみに合同とは、2つの図形が重ね合わせられる関係にあることをいうのでしたね。合同な図形の対応する線分の長さや、対応する角の大きさは等しいという性質があります。
直角三角形の合同条件
直角三角形の1つの角は直角と決まっているので、このことから次の「直角三角形の合同条件」が定理として導かれます。
斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい
斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい直角三角形とは、下の図のような三角形です。
斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい
斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい直角三角形とは、下の図のような三角形です。
この条件を、斜辺他1辺相当(RHS: Right-angle-Hypotenuse-Side)とも言います。
上の2つの合同条件のうち、どちらかが成り立つ場合、その2つの直角三角形は合同であるといえます。
合同な三角形の証明問題
三角形の合同条件を使って、簡単な証明問題を解いてみましょう。
下の図で合同な三角形を見つけ、それらが合同であることを証明せよ。
パッと見で、三角形ABDと三角形CBDが合同でありそうなことは分かりますね(そもそも、三角形はこの2つしか描かれてないので…)。では、対応する辺や角に気を付けながら、証明していきましょう。
証明
△ABD と △CBD で
\begin{align*} ∠ABD &= ∠CBD \text{(仮定)} & & \cdots ① \\[5pt] ∠ADB &= ∠CDB \text{(仮定)} & &\cdots ②\\[5pt] BD &= BD \text{(共通な辺)} & &\cdots ③ \end{align*}
①、②、③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいから
△ABD ≡ △CBD
となり、2つの三角形が合同であることを示せました。