メスピペット - 化学実験器具一覧

メスピペットは、ホールピペット同様に一定体積の液体を量り取るために用いられます。ホールピペットより精度は劣りますが、1本に目盛りが複数ついており、汎用性はより高いです。このページでは、メスピペットの用途、使い方及び注意点を説明しています。

メスピペットという言葉自体、高校までは使わないのではないかと思います。大学で実験をするようになるとよく使います。

メスピペット


もくじ

  1. メスピペットとは
  2. メスピペットの使い方
  3. メスピペット使用上の注意

メスピペットとは

メスピペットは、一定体積の液体を取り出すための器具です。ホールピペットのような膨らみ部分はなく、細長い形状をしています。

ホールピペットは表示体積のみしか量り取れないのに対して、メスピペットには複数の線が入っており、1本で採取量を調整できます。

ホールピペットより精度は劣りますが、大学の実験でも用いられるものです。

壁面には「TD」と書かれており、これは出用(To Deliver)を表します。つまり、標線まで液体を吸い上げ、その全量をピペットから出したときの量が表示された体積に等しいというわけです。入用のメスフラスコとは対照的な関係です。

メスピペットの使い方

口で吸い上げて使うことも無くはないのかもしれませんが、たいてい安全ピペッターを使うと思います。

ピペットの端に安全ピペッターを付け、ホールピペットの操作と同様の手順で吸い上げ・排出を行います。詳しくは、安全ピペッターのページをご覧ください。

先端まで目盛りがついているものはホールピペット同様に用いればよいです。しかし、先端まで目盛りがついていないものは、最後まで排出しきらずに途中で排出をやめ、目盛りの差から排出量を求めます。

メスピペット使用上の注意

メスピペットは体積を正確に量り取る器具であるため、操作も正確に行う必要があります。以下、いくつかの注意点を挙げます。

  • 液体を吸い出す際は、必ずメスピペットの先端を容器の底までつけるようにします。吸い出す途中に液面が先端よりも下にくると、急激に吸い上げられ、ピペッター内に溶液を流入させてしまいます(液体ではなく空気が吸い上げられるため)。
  • 精密器具のため、加熱乾燥はしません。メスピペットが水などで濡れている場合は、共洗い(使用する溶液で2~3回洗う←メスピペットを軸方向にぐるぐる回しながら)をしてから使用します。

他の実験器具の用途や使い方も解説しています。