ヘロンの公式 - 導出と計算例
ヘロンの公式は、三角形の面積を、三角形の3辺の長さから求める公式です。一般的なヘロンの公式は、次の式で表されます。
3辺の長さが a, b, c の三角形の面積 $S$ は
\begin{align*} S &= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\[5pt] \text{ただし} \\[5pt] s &= \frac{a+b+c}{2} \end{align*}
それでは、この公式の導出方法と、ヘロンの公式を使った計算例について、見ていきましょう。
もくじ
ヘロンの公式
前述の通り、ヘロンの公式は、三角形の面積を、三角形の3辺の長さから求める公式です。一般的なヘロンの公式は、次の式で表されます。
3辺の長さが a, b, c の三角形の面積 S は
\begin{align*} S &= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\[5pt] \text{ただし} \\[5pt] s &= \frac{a+b+c}{2} \end{align*}
ヘロンの公式は、どんな形の三角形でも、3辺の長さが分かっていれば面積を求められる非常に便利な公式です。
ヘロンの公式の導出方法
ヘロンの公式の導出方法を確認していきます。ヘロンの公式は、高校1年生で学習する余弦定理を用いることで、証明することができます。
3辺の長さ a, b, c の △ABC の面積を S として、これを求めましょう。
\[ S=\frac{1}{2}ab\sin A \]
の両辺を2倍してから2乗すると、
\begin{align*} 4S^2 &= b^2c^2\sin^2A \\[5pt] &= b^2c^2(1-\cos^2A) \\[5pt] &= b^2c^2(1+\cos A)(1-\cos A) \cdots ① \end{align*}
余弦定理より
\begin{align*} 1+\cos A&= 1+\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc} \\[5pt] &= \frac{(b+c)^2-a^2}{2bc} \\[5pt] &= \frac{(a+b+c)(-a+b+c)}{2bc} \\[5pt] \end{align*}
同様に
\begin{align*} 1-\cos A&= 1-\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc} \\[5pt] &= \frac{a^2-(b-c)^2}{2bc} \\[5pt] &= \frac{(a-b+c)(a+b-c)}{2bc} \\[5pt] \end{align*}
ここで、$a+b+c=2s$ とおけば
\begin{align*} -a+b+c &= 2(s-a) \\[5pt] a-b+c &= 2(s-b) \\[5pt] a+b-c &= 2(s-c) \\[5pt] \end{align*}
なので
\begin{align*} 1+\cos A&= \frac{2s(s-a)}{bc} \\[5pt] 1-\cos A&= \frac{2(s-b)(s-c)}{bc} \\[5pt] \end{align*}
これらを式①に代入して
\begin{align*} 4S^2 &= 4s(s-a)(s-b)(s-c) \end{align*}
したがって
\begin{align*} S &= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \end{align*}
となり、ヘロンの公式を証明することが出来ました。
ヘロンの公式を使った計算問題
3辺の長さが 4, 5, 7 である三角形の面積 S を求めよ。
三角形の3辺の長さが分かっていれば、ヘロンの公式を使って面積を求めることができます。
ヘロンの公式より
\begin{align*} s &= \frac{a+b+c}{2} \\[5pt] &= \frac{4+5+7}{2} \\[5pt] &= 8 \end{align*}
なので、面積 S は
\begin{align*} S &= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\[5pt] &= \sqrt{8\cdot(8-4)(8-5)(8-7)} \\[5pt] &= \sqrt{8\cdot 4\cdot 3 \cdot 1} \\[5pt] &= 4\sqrt{6} \end{align*}
となり、三角形の3辺の長さから面積を求めることができました。
他の平面図形の面積の求め方は、次のページでご覧になれます。