分数の掛け算のやり方

分数の掛け算は、分子同士、分母同士をそれぞれ掛けることで計算できます。

文字式で表すと、次のようになります。

分数の掛け算のやり方

\[ \frac{a}{b}\times\frac{c}{d}=\frac{a\times c}{b\times d} \]

このページでは、分数同士の掛け算の方法と、分数と整数の掛け算の方法に分けて説明しています。また、帯分数の掛け算についても触れています。


もくじ

  1. 分数同士の掛け算
  2. 分数と整数の掛け算
  3. 帯分数の掛け算

分数同士の掛け算

分数同士の掛け算は、分子同士、分母同士をそれぞれ掛けることで計算できます。

次の例題を一緒に解いてみましょう。

$ \frac{2}{3} \times \frac{1}{5} $ を計算せよ。

この問題は、分数×分数の計算問題ですね。分子同士の掛け算は、$2\times 1 = 2$ であり、分母同士の掛け算は、$3\times 5 = 15$ となります。これらの掛け算の結果をそれぞれ、答えの分数の分子と分母にします。

\begin{align*} \frac{2}{3} \times \frac{1}{5} &= \frac{2\times 1}{3\times 5} \\[5pt] &= \frac{2}{15} \end{align*}

答えの分数が約分できる場合は、約分します。例えば、次の例を解いてみましょう。

$ \frac{5}{4} \times \frac{2}{3} $ を計算せよ。

先ほどと同じように、分子同士、分母同士の掛け算をします。この時、計算途中で約分すると良いでしょう。

\begin{align*} \frac{5}{4} \times \frac{2}{3} &= \frac{5\times 2}{4\times 3} \\[5pt] &= \frac{5\times 1}{2\times 3} \\[5pt] &= \frac{5}{6} \end{align*}

1 行目の右辺 $ \frac{5\times 2}{4\times 3}$ は分子の 2 と分母の 4 の最大公約数 2 で約分できることが分かります。よって、分子と分母を 2 で割ると、1 行目から 2 行目のように約分できます。

掛け算をしてから、最後に約分してもいいのですが、大きな数の公約数を見つけるのは大変なので、計算途中で約分すると良いでしょう。

このように、分数同士の掛け算は、分子同士、分母同士をそれぞれ掛けることで計算できます。

分数と整数の掛け算

分数と整数の掛け算では、整数を分数の分子に掛けることで計算できます。

次の例題を見てみましょう。

$\frac{2}{7}\times 3$ を計算せよ。

この問題は、分数×整数の形の計算問題です。整数 3 は、分数の分子 2 に掛けることで計算できます。

\begin{align*} \frac{2}{7}\times 3 &= \frac{2\times 3}{7} \\[5pt] &=\frac{6}{7} \end{align*}

別の考え方をすると、整数は分母が 1 の分数と見ることができるので、整数を分数に書き換えてから、分数同士の掛け算をすることができます。

例えば例題の整数 3 を分数で表すと $\frac{3}{1}$ となります。あとは、分子同士、分母同士の掛け算をします。

\begin{align*} \frac{2}{7}\times 3 &= \frac{2}{7}\times\frac{3}{1} \\[5pt] &= \frac{2\times 3}{7\times 1} \\[5pt] &= \frac{6}{7} \end{align*}

結果はもちろん、先ほどと同じになります。

どちらの方法で計算してもいいですが、後者のようにわざわざ分数に書き換えてから計算するのは面倒なので、分数と整数の掛け算は、整数を分子に掛けて計算するのがいいでしょう。

帯分数の掛け算

帯分数の掛け算は、一度仮分数に書き直してから、分数同士の掛け算と同様に、分子同士、分母同士を掛けます。

次の計算問題を解いてみましょう。

$2\frac{1}{5}\times1\frac{3}{4}$ を計算せよ。

この問題は、帯分数同士の掛け算の形になっていますね。割る数、割られる数それぞれを、仮分数に書き直してから、分子同士、分母同士の掛け算をします。

仮分数へ書き直す方法は、「帯分数を仮分数に書き直す方法」のページをご覧ください。

\begin{align*} 2\frac{1}{5}\times1\frac{3}{4} &= \frac{11}{5}\times\frac{7}{4} \\[5pt] &= \frac{11\times 7}{5\times 4} \\[5pt] &= \frac{77}{20} \\[5pt] \bigg( &= 3\frac{17}{20} \bigg) \end{align*}

となります。必要であれば、最後に得られた仮分数を、再び帯分数の形に書き直します。この結果は、最後の行に括弧でくくって示しました。

帯分数を使うのは小学校くらいで、中学校以降はすべて仮分数で書き表すようになるので、帯分数の足し算はそれほど重要ではないと思います。