平方根の意味と計算方法、性質

2 乗すると a になる数のことを a の平方根といいます。1 つの正の数に対して、その平方根は正と負の 2 つあり、そのうち正の方を $\sqrt{a}$ と書き、ルート a と読みます。

このページでは、平方根(ルート)の意味計算方法性質、そして大小関係について説明しています。

平方根どうしの四則演算など、詳しい計算方法は、「ルートの計算方法」のページをご覧ください。



もくじ

  1. 平方根とは
    1. 平方根の計算
    2. 平方根の性質
  2. 平方根の大きさ

平方根とは

2 乗すると a になる数のことを a の平方根といいます。つまり、式 x2 = a の x に当てはまる数が a の平方根です。1 つの正の数に対して、その平方根は正と負の 2 つあります。

平方根は、二乗根や自乗根と言われることもあります。

平方根の計算

それでは、平方根の求め方を説明します。

次の例題を一緒に解いてみましょう。

9 の平方根を求めよ。

この問題では、2 乗して 9 になる数を探します。9 は正の数なので、その平方根は正と負の 2 つ存在します。

次の式より、3 と -3 を 2 乗すると、ともに 9 になることが分かります。

\[3^2=9,\quad(-3)^2=9\]

よって、9 の平方根は 3 と -3 と求まりました。


平方根は、根号(ルート)を使って表すことができます

ある正の数の平方根のうち、正の方を $\sqrt{a}$ と書き、「ルート a」と読みます。負の方は $-\sqrt{a}$ となります。


それでは、もう一つ平方根を求める問題を解いてみましょう。

3 の平方根を求めよ。

2 乗して 3 になる数は、有理数(分数の形で表せる数)の範囲には存在しません。そこで、このような数を根号(ルート) $\sqrt{\quad}$ を使って表します。

よって、3 の正の平方根は $\sqrt{3}$、負の平方根は $-\sqrt{3}$ となります。それぞれ、「ルート 3」「マイナス ルート 3」と読みます。

また、この 2 つをまとめて $\pm\sqrt{3}$ と表し、「プラスマイナス ルート 3」と読むことがあります。

平方根の詳しい計算方法は、「ルートの計算方法」のページをご覧ください。

平方根の性質

平方根には、次の性質があります。

  • 正の数の平方根には正の数と負の数があり、それらの絶対値は等しい。
  • 0 の平方根は 0 である。
  • 負の数の平方根は(実数の範囲には)ない。

2 つ目の項目について、2 乗して 0 になる数は 0 だけなので、0 の平方根は 0 の 1 つだけとなります。

3 つ目の項目について、2 乗して負になる数は(実数の範囲には)ないので、中学校の範囲では負の数の平方根はないとします。しかし、複素数の範囲では、2 乗して -1 になる数 i が定義されているので、負の数の平方根も存在することになります。複素数は高校で学習します。

また、平方根の定義より、根号(ルート)を使って表された数には、次の式が成り立ちます。

\begin{align*} (\sqrt{a})^2 &= a \\[5pt] (-\sqrt{a})^2 &= a \end{align*}

平方根の大きさ

平方根の大小については、次の関係式が成り立ちます。

$a\gt0,\,b\gt0$ のとき

\[ a\lt b \,\,\text{ならば}\,\, \sqrt{a} \lt \sqrt{b} \]

それでは、次の例題を解いてみましょう。

$\sqrt{7}$ と $\sqrt{11}$ の大小を、不等号を使って表せ。

ルートの中身の大小を比べると

\[7<11\]

なので

\[\sqrt{7} \lt \sqrt{11} \]

となります。


もう一問、問題を解いてみましょう。

$3$ と $\sqrt{10}$ の大小を、不等号を使って表せ。

ルートが付いていない数は、ルートを付けて表すことで大小比較をできるようになります。

\[ 3 = \sqrt{3^2} = \sqrt{9}\]

なので、

\[ \sqrt{9} < \sqrt{10} \]

より、

\[ 3 < \sqrt{10} \]

となります。