台形の面積の求め方 - 公式と計算例

台形の面積を求める公式は、次の通りです。

台形(だいけい)面積(めんせき)(もと)める公式(こうしき)
面積 = (上底(じょうてい) + 下底(かてい)) × 高さ ÷ 2
台形(だいけい)面積(めんせき)(もと)める公式(こうしき)文字式(もじしき)
\begin{align*} S = \frac{1}{2}(a+b)h \end{align*}
上底 a、下底 b、高さ h の台形
上底 a、下底 b、高さ h の台形

ここで、a と b はそれぞれ台形の上底と下底、h は高さを表します。

このページでは、この公式の導き方と、台形の面積を求める計算問題の解き方を説明しています。

小学生向けに文字を使わない説明もしているので、ぜひご覧ください。



もくじ

  1. 台形の面積を求める公式
    1. 公式の導き方
  2. 台形の面積を求める計算問題
    1. 上底、下底、高さから面積を求める問題
    2. 三平方の定理と組み合わせて面積を求める問題

台形の面積を求める公式

前述の通り、台形の面積 S を求める公式は、次の通りです。

\begin{align*} S &= \frac{(a+b)h}{2} \end{align*}

この式に出てくる文字の意味は、次の通りです。

S
台形の面積(Surface area)
a と b
上底と下底
h
台形の高さ(height)

上底と下底とは、台形の平行な2つの辺(底辺)のことを指します。どちらの辺を、上底または下底に選んでも構いません。また、高さとは、この底辺間の距離をいいます。

公式の導き方

台形の面積を求める公式は、2つの台形をつなげて平行四辺形にし、この平行四辺形の面積を半分にするという方法で導き出せます。

下の図のように、同じ(合同な)2つの台形を用意します。

同じ形の(合同な)2つの台形
同じ形の(合同な)2つの台形

次に、図の右側の台形を180° 回転させてから、台形の脚(平行でないほうの2辺)が接するようにつなげます。

2つの台形をつなげると、平行四辺形になる
2つの台形をつなげると、平行四辺形になる

するとこの図形全体は、平行四辺形になりますね(図の赤線)。この平行四辺形の、底辺の長さは元の台形の(上底 a)+(下底 b)、高さは変わらず h となっています。

平行四辺形の面積は(底辺)×(高さ)で求められます。よって、この面積は $(a+b)\times h$ 、言葉で表すと、{(上底)+(下底)}×(高さ) で求めることが出来ます。

最後に、この平行四辺形は、2つの同じ(合同な)台形をくっつけて出来たものでした。なので、台形の面積はこの平行四辺形の面積の半分となります。式で表すと

\[ \frac{(a+b)h}{2} \]

言葉で表すと

{(上底)+(下底)}×(高さ)÷2

となります。

これで、台形の面積を求める公式を導くことができました!


続いては、この公式を使って計算問題を解いてみましょう!

台形の面積を求める計算問題

上底、下底、高さから面積を求める問題

下の図に示した台形の面積を求めよ。

上底 4cm、下底 15cm、高さ 9cm の台形

台形の面積を求める公式に代入して、計算すればいいだけですね。求める面積 S は

\begin{align*} S &= \frac{(a+b)h}{2} \\[5pt] &= \frac{(4+15)\times 9}{2} \\[5pt] &= \frac{171}{2} \,\textrm{[cm}^2 \textrm{]}\end{align*}

小学生の方向けに、式を言葉で表すと

\begin{align*} \text{台形の面積} &= \left\{ \text{上底} + \text{下底} \right\} \times \text{高さ} \div 2 \\[5pt] &= (4+15)\times 9 \div 2 \\[5pt] &= \frac{171}{2} \,\textrm{[cm}^2 \textrm{]} \end{align*}

となります。

三平方の定理を組み合わせて面積を求める問題

次の問題は、三平方の定理を使うため、中学3年生以上向けです。

下の図に示した台形の面積を求めよ。

問題の台形

この問題では、台形の面積を求めるのに必要な、上底と高さの情報が与えられていませんね。しかし、60° と 45° という代表的な角(三角定規の角度)が与えられているので、直角三角形を作って、その3辺の比から計算を進めます。

下の図のように2つの補助線を引いて考えましょう。

問題の台形に、必要な辺の長さを計算して記入した図
問題の台形に、必要な辺の長さを計算して記入した図

左の直角三角形の3辺は $ 1:2:\sqrt{3} $ の関係にあり、右の直角三角形の3辺は $ 1:1:\sqrt{2} $ の関係にあることが分かります(中学3年生で勉強しますね)。

これらの比から分かる辺の長さを記入していくと、上図の通り、高さが $ \sqrt{3} $、上底が $ 3-\sqrt{3} $ であることが分かります。

最後に、これらの値を、台形の面積を求める公式に代入して

\begin{align*} S &= \frac{(a+b)h}{2} \\[5pt] &= \frac{\left\{ (3-\sqrt{3})+4 \right\} \times \sqrt{3}}{2} \\[5pt] &= \frac{(7-\sqrt{3})\sqrt{3}}{2} \,\textrm{[cm}^2 \textrm{]} \end{align*}

となります。

他の平面図形の面積の求め方は、次のページでご覧になれます。